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クルマ向けエレクトロニクスのニュース相次ぐ

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ルネサスエレクトロニクスは4月11日、開発してきた自動車用半導体を使った未来を示す開発者イベントDevConを開催するが、クルマ用の半導体に今やあらゆる半導体メーカーや関連メーカーが参入するようになった。先週はクルマ関連のニュースが相次いだ。

ルネサスはDevConに先立ち、自社開発した自動運転車を限られたメディアに公開した。同社は今年米国ラスベガスで開かれたCESで、リンカーンをモデルに改造した自動運転車を展示したが、これを国内にも持ち込みメディア向けの試乗会を開いた(参考資料1)。7日の日本経済新聞によると、「前方を走る車や信号、標識などを配置した1周150メートルほどのデモコースを用意して完全自動運転で試作車を走らせた」。同社はこれまで、演算用のSoCである「R-Car H3」2個と、制御用マイコンRH850/P1H-C」1個を搭載した自動運転開発プラットフォーム2台とV2X通信システムを搭載しているという。

さらにSoC(システムLSI)半導体メーカーとしてルネサスは、チップに埋め込むソフトウエアの開発も進めてきた。マルチコアのプロセッサでは、マルチコア用のソフトウエア開発基盤を手掛けてきたGreen Hills Softwareと一緒にソフト開発を行ってきた。このほど、ルネサスはR-Car H3とR-Car M3向けのソフトウエアパッケージを外販すると発表した。仮想化システム開発向けのパッケージIntegrity Multivisorや、セキュリティソフトIntegrity、機能安全とセキュリティを統合したパッケージソフトIntegrityを用意している。今回はセキュリティだけのIntegrityと、仮想化だけのIntegrity Multivisorを発売する。それらを統合したパッケージは2017年第4四半期から2018年第3四半期にかけてリリースしていく。

カーエレクトロニクスでは大学も協力している。筑波大学とトヨタ自動車は、筑波大学構内に、IoTやカーエレクトロニクス、データ解析などを社会応用することによって、社会サービスの創出を目指す「未来社会工学開発研究センター」を開設した。筑波大のシステム情報工学や人工知能科学、サイバニクス研究、睡眠医科学、ビジネスサイエンスなどの7つの研究分野の研究者が参加する。センター長にはトヨタ自動車未来開発室担当部長の高原勇氏が就任した。

東京大学の藤本博志准教授らと日本精工、東洋電機製造は、EV(電気自動車)を走行させながら無線で給電する技術を共同開発した。これまでもQualcommがEVを走行中に無線充電させようというアイデアを発表していたが、実車で実験したのはこれが初めて。この実験では、インホイールモータ技術(車輪の中にモータを組み込む方式)を用い、受電コイルをサスペンションで支えられた車体から外すことによって、受電コイルと道路内に埋め込んだ送電コイルとの距離を一定に保つことができたとしている。磁気共鳴方式で無線給電するが、コイル間の距離が違ってくると給電効率が変動していた。また、車輪当たりの出力を従来の3.3kWから12Wへ高めるため、シリコンのIGBTではなくSiC MOSFETを採用した。報じた6日の日経産業新聞によると、EVの前輪2輪にモータを取り付け時速20kmでコイルの上を走行し、給電できていることを確認したという。

中国市場へのEVにフォードが参入したという記事が8日の日経に掲載されている。中国市場は、ガソリン車の排ガス対策を行うよりもEVに切り替えてしまう方が手っ取り早い、という考えが強い。中国政府はエコカーの参入基準を上げ、EV化を促進している。日本勢では日産自動車がEVのリーフを市場に投入しているが、トヨタも中国でEVの導入を検討していると昨秋表明しており、プラグインハイブリッド(PHV)や燃料電池車も含めあらゆるエコカーを検討している。ホンダも20年をメドにPHVを発売する計画だとしている。欧州では一気にEV化を進めており、中国市場のEV化と歩調を合わせている。


参考資料
1. 小林行雄、「目前に迫る完全自動運転時代−ルネサスの自動運転車が日本でデモ走行を実施」、マイナビニュース (2017/04/07)

(2017/04/10)

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