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セミコンジャパンをにらんだ製造装置のニュース相次ぐ

半導体製造プロセスで最大の展示会セミコンジャパンが東京ビッグサイトで12月3日から開催されるせいか、製造装置関連のニュースが先週、相次いだ。半導体市場は好調に推移しており、設備投資が活発で装置産業も上向いている。

セミコンジャパンの主催者であるSEMIの日本法人SEMIジャパンの中村修代表とのインタビュー記事を11月27日の日刊工業新聞が掲載しており、それによると、2015年もスマートフォンが半導体市場を牽引し続け、装置市場は2014年の前年比7.8%増から15年はどう15.6%増の422万ドルに拡大すると見ている。

ニコンは、重ね合わせ精度とスループットを改善したArFレーザーリソグラフィ装置NSR-S322Fを12月に販売開始すると発表した。このニュースを日経産業新聞と日刊工業新聞がそれぞれ採り上げている。重ね合わせ精度は、同じ装置内では2nm以下、同一機種間では5nm以下となっている。スループットは、300mmウェーハで96ショット露光するとして毎時230枚以上。解像度は65nm以下と従来機と変わらない。

レーザー光源を手掛けるギガフォトン(小松製作所の100%子会社)は、Ne(ネオン)ガスを最大50%減らせる技術eTGM(eco-Total Gas Management system)を期間限定で無償提供すると発表した。ArFエキシマレーザーリソグラフィ装置では、Ar(アルゴン)とF(フッ素)の混合ガスをNeで希釈して使う訳だが、Ne産出国での政情不安や災害により、供給が制限されている。この技術は、レーザーの稼働状況を見ながら、ガスの注入量と排気量を自動的に最適化するもの。

東邦エンジニアリングはウェーハを研磨するCMP装置のパッド表面を検査する装置INS800を2015年1月に発売すると発表した。この装置は、直径800mmのCMPパッド表面を1分以内で検査できるという。表面の粗さや溝の幅、深さ、ピッチなどを自動測定し、データをパソコンで表示する。価格は900万円。

後工程では、ディスコがウェーハ裏面研磨用の加工ツール「ドライポリッシングホイール」と、切断するダイシングブレード「ZH14シリーズ」をサンプル出荷した。前者の製品は、メモリなどで裏面ゲッタリングする時に使い、この製品は抗折強度を従来製品よりも20%高めたというもの。ウェーハ仕上げ厚25µmの加工でも抗折強度を確保しているという。後者のブレードは、ブレードの破損や蛇行を抑制したもの。バンプのついたフリップチップ用のダイシングでは、長い刃出しが必要となり、蛇行や切れ曲りが発生しやすかった。この製品はブレードの破損限界速度を20%上げたため、高速に切っても安定した加工が可能になったという。

450mmウェーハに対するプロセス開発は現在、トーンダウンしているが、RSテクノロジーズは、450mmウェーハの再生事業に乗り出すと27日の日経産業新聞が伝えている。450mmウェーハは単価が40万円とまだ高いため、開発段階で使用したウェーハの表面を削り取り、新品同様に再生して使う。

製造装置業界最大の経営統合となる東京エレクトロンとApplied Materialsとの経営統合の期日をこれまでの12月30日から2015年3月24日に変更すると日経産業は報じている。東京エレクトロンはイスラエルとシンガポール、ドイツでは独占禁止法関連の承認を得ているが、米国や韓国、台湾、中国では、審査が継続している。このため、期日を延期した。

半導体メーカーとしては、東芝がGaNの白色LEDや、SiCも含めたパワー半導体の開発を石川県に集約する。このため16年度までに300億円を投じる。またソニーはCMOSイメージセンサーの生産能力を、現在の6万枚/月から7万5000万枚/月に引き上げるため、1000億円の追加投資が必要、と述べた同社エレクトロニクス部門トップの鈴木智行氏とのインタビュー記事を日経産業が掲載した。

(2014/12/01)
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