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スマホ向けの部品・フラッシュが活発に動く

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Apple社のiPhone 6とiPhone 6Plusや時計型端末のApple WatchなどApple社の新製品が発表され、電子部品市場が活発に動きだしている。10月5日の日本経済新聞では、中国スマホ向けの増産が活発化している様子を描いている。東芝は15nmプロセスを使った16GバイトのNANDフラッシュのサンプル出荷を始めた。

飽和気味と思われがちなスマートフォンだが、中国市場ではこれからますます増加する。また、日本でも東京や大都市ではスマホが増加してきたものの、地方都市ではまだまだ普通の携帯電話機(いわゆるガラケー)が多い。スマホの成長余地はまだ大きいということだ。中国では華為技術や北京小米科技(シャオミ)、レノボなどがスマホの生産を伸ばしている。iPhoneは発売3日間で1000万台を売り上げたと言われている。アップルと中国勢向けの部品は今年はさらに伸びていく。

日本の部品はより小型ながら、ハンダの付きが良い製品が多く、使いやすさから多くのOEMが採用している。例えば、村田製作所やなどのコンデンサなどの受動部品はノイズを除去するのに欠かせないが、バッテリを大きくして長持ちさせるためにプリント基板の面積を小さくして0201と呼ぶ0.25mm×0.125mという小さな部品を開発している。しかもハンダブリッジやツームストーン現象などを防ぐためのノウハウも提供して基板に実装している。

5日の日経では、4G LTE用のフィルタ部品を伸ばしたTDK、長崎県と熊本県に合計350億円を投資してCMOSイメージセンサの生産能力を1割増強したソニー、カメラの自動焦点を実現する機能を中国メーカー向けに出荷するミツミ電機の積層コンデンサなどを紹介している。

さらに東芝はスマホやタブレット向けに16GバイトのNANDフラッシュメモリを15nmプロセスで開発したことを発表している。サンプル出荷を始めた。従来比でパッケージ面積が26%減ったという。この製品は、メモリとコントローラを1パッケージに搭載している。従来よりも読み出し速度が20%、書込み速度は8%高速化したとしている。順次、8GB、32GB、64GB、128GBの製品も出荷していくという。東芝はiPhone 6の成功により、今年度の利益を、東芝全社の2/3にもなると見込んでいる。

米国では、IoT(Internet of Things)を、ヘルスケアやウェアラブルの端末などの民生用のIoTと、センサネットワークやM2Mなどの産業用IoTとに分けて定義することがはっきりしてきたが、三菱電機とIntelが産業用IoTで協力して、ファクトリーオートメーション(FA)機器の予防保全によって機器の稼働率を上げることを目的としたIndustry 4.0あるいはIndustrial Internetを進めていく。9月30日の日経が報じたもので、FA機器にたくさんのセンサを取り付け、稼働状況を収集分析する。取り付けたセンサにより機械の異常をいち早く検出し、素早く対処する。マレーシアにあるIntelの後工程工場で試験的に導入した結果、歩留まり向上などの効果があり、年間900万ドルのコスト削減が出来たとしている。三菱電機は、米Intelと連携し、工場の製造装置の故障を未然に防ぐ製造業向けシステムを2015年度から提供する。

(2014/10/06)

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