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カーエレのニュースが多い中、気になるモバイルの動向もキラリ

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カーエレクトロニクス市場に向けた仕組み作りが活発になっている。セイコーインスツル(SII)は、東南アジアや中国の車載向け半導体市場を開拓するため、元東芝執行役専務の藤井美英氏が代表権のある会長に就任すると発表した、と6月24日の日刊工業新聞が報じた。さらに、パナソニック、STマイクロ、NXPもカーエレに力を入れる、と日本経済新聞や日経産業新聞が報じている。先週は、モバイルの動向もあった。

SIIが藤井氏を招へいしたのは、これから半導体を中心とする電子デバイス事業に力を入れるため。藤井氏は長く半導体分野に携わってきたが、セイコーの象徴である時計事業も成長させていくと意気込みを語っている。

パナソニックは、液晶パネル事業をAV機器部門から車載・産業機器部門に移す、と24日の日経が報じた。液晶パネル事業は売上額の4割を占めるテレビ向けの採算が厳しく営業赤字から抜け出せないとして、テレビ依存度を3割に下げ、代わりに車載向けを増やす目論見だ。7月から、液晶パネル事業を従来のAVCネットワークス社からオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社に組み入れ一体運営するという。

STマイクロエレクトロニクスは中国の自動車大手、長安汽車集団とカーエレ分野で提携し、NXPセミコンダクターズは中国国有の通信機器・半導体大手の大唐電信科技と合弁企業を設立することで合意した、と24日の日経産業は伝えた。STは共同で実験室を設け、車体の制御や車内の娯楽システム、エンジン制御などの技術を研究、中国向け自動車用半導体を開発する。NXPはエコカーやガソリン車の電源制御に使う半導体などを開発する。

カーエレクトロニクス技術も進化している。25日の日経産業は、富士重工業の運転支援システム「アイサイト」の進化の様子を伝えている。20日発売した新型車「レヴォーグ」に搭載したカメラの情報量は従来アイサイトの10倍。前方を走るクルマにも追従して走る機能をはじめ、白線逸脱検出(レーンキーピング)機能も搭載、カメラは従来のモノクロからカラーに変更、前方車のブレーキランプの認識が速くなったとしている。自動ブレーキの範囲も従来は30km/時以下が有効だったが、新型車は50km/時以下でも可能だとしている。

日立製作所は、SiCやGaNなど新型パワーFET向けの両面冷却モジュールを開発した、と27日の日刊工業が報じた。このモジュール実装技術では、並列動作させる半導体デバイスへの制御配線の長さを揃え、動作電流が流れる主配線の長さも等しくしたとしている。パワーデバイスでは、ホットスポットのような電流集中を避けなければならないからだ。実際に、スイッチング素子16個×2と、ダイオード素子4個×2の合計40個のパワーデバイスを並列接続したモジュールを試作した。このモジュールには両面水冷方式を採用、従来の片面水冷と比べ、取り扱える電力は2倍になったとしている。

産業用ロボットの大手、安川電機は1台で複数のモータを制御できるサーボドライブを発売したと25日の日経産業が報じた。ロボットや無人搬送車などの活用を見込むというが、クルマ用にもさまざまな場所にある複数のモータを制御するのにも使えそうだ。プレスリリースによると、制御ボード1枚で最大8軸制御が可能で、従来製品に比べ60%体積を削減できるとしている。

モバイル市場向けで気になるニュースを二つ紹介する。一つは、TSMCが下期の工場稼働率が100%になると発表したこと。これは25日の日経産業で報じられた。特に7〜9月期の半導体製造装置の受注が落ちているとのもっぱらの予測が飛び交い、この先に一抹の不安があった。TSMCの発表により、この落ち込みは一時的なものと言えそうだ。

もう一つのトピックスは、26日の日経産業で報じられた、電子機器のエコシステムが変調をきたし始めた、というもの。アップルの幹部が新材料の相談に直接来るようになったと大手フィルムメーカーの幹部が語っている。パネルメーカーを通すと時間がかかると考えているらしい。このことは、部品サプライヤーが直接の顧客のさらに上のレイヤーを訪問する時代になったことの裏付けでもある。LCDドライバICやタッチパネル制御ICも同様で、ルネサスの子会社を買収するファブレス半導体のSynaptics社の直接顧客は液晶メーカーだが、同社は、その上のレイヤーであるスマホメーカーをよく訪れていると述べている。直接顧客の上のレイヤーとディスカッションしていれば、ソリューション提供が容易になるからだ。

(2014/06/30)

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