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AndroidがiOSをタブレットでも抜き、タブレット市場拡大

半導体関係の大きなニュースがない中、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末市場に向けた半導体や部品などの製品や技術のニュースが目についた。タブレットではAndroid OSがiOSを逆転した他、スマホではカメラ機能を充実させる話題などが報じられた。

米調査会社のGartner社は、2013年のタブレットの出荷台数において、Android機がAppleのiOS機を抜いたと発表した。2013年におけるAndroid機は前年比2.27倍の1億2096万台、iOS機は14.5%増の7040万台になった。市場シェアで言えば、Android機は45.8%から61.9%に上がり、iOS機は52.8%から36.0%に下がった。3月5日の日本経済新聞は国内市場についても述べている。国内の市場調査会社MM総研によると、国内のタブレット販売台数は前年比7割増の739万台、このうちiOS機が360万台、Android機は314万台であった。ただし、iOS機が2010年比で6倍増えたのに対して、Android機は22倍も増えたとしている。Android機が増えた理由を価格が安いからと見ている。

タブレット全体の出荷台数は、2012年の1億1635万台から68%増の1億9544万台となった。2013年における企業別の出荷台数では、Appleが7040万台でトップ、2位はSamsungの3741万台、3位ASUSの1104万台と続く。Samsungはスマートフォンに続きタブレットでも急速な伸びを示している。2012年は858万台で7.4%の市場シェアだが、2013年は19.1%のシェアになった。

モバイル端末に必要な部品や半導体も活発に動いている。カメラ機能では、手ぶれ防止に使う小型アクチュエータの世界出荷量をミツミ電機が2014年度に前年度の3倍となる6000万個に増産する、と6日の日経は報じた。TDKは中国スマホメーカー向けに小型新製品を開発中だとしている。太陽誘電は、部品内蔵基板の生産能力を現在の4倍に引き上げると7日の日刊工業新聞が伝えた。同社はカメラモジュールの基板(10mm角)にイメージセンサを内蔵した回路基板「EOMIN」を量産しているが、16年度をめどに現在の4倍の1200万個に引き上げる計画だ。

モバイル端末向けの無線充電器用の半導体やモジュールを開発したというニュースもある。Texas Instrumentsは無線充電器の受信側の半導体「bq51221」の量産出荷を始めた。この製品は2大無線充電規格Qi(チーと読む)のWPC1.1とPMA1.1の両方に準拠する。QiはWireless Power Consortium (WPC)が策定した規格。WPCの理事会にはDelphi、Continental、パナソニック、東芝、Qualcommなど24社が参加している。PMA(Power Matter Alliance)のコンソーシアムにはAT&T、スターバックス、FCC(Federal Communications Commission)、Energy Star、Powermat Technologiesからの代表者がボードメンバーにいる。

セイコーインスツル(SII)は、独自規格の無線充電モジュールを開発、このほどサンプル出荷を開始したと4日の日経産業新聞が報じた。ヘルスケア向けのウェアラブル機器への組み込みを想定している。独自規格にした理由を、ヘルスケア機器では単独で使用し互換性を求めない顧客が多く、ニーズは高いと見込んでいるためと日経産業は述べている。

スマホ用のカバーガラスとして世界シェア5割を超えるCorning社の「ゴリラガラス」の生産工場を国内の静岡県掛川市から韓国の牙山工場に移管すると、8日の日経が報じた。この製品は、透明なガラス表面に弾力性のある薄膜素材を形成したもの。傷がつきにくく、かつ割れにくいという特長がある。Corningは顧客であるSamsungの近くで生産することになる一方、国内工場の従業員は退職を迫られる。

(2014/03/10)
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