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どのような成長分野でもプラットフォームとなるスマホ

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スマートフォン市場に向けた半導体やディスプレイ、部品などのニュースが目につく1週間だった。スマホの一大市場から目をそらし、スマホの次を狙おうとする記事も一方である。しかし、トレンドがヘルスケア、クラウド、スマートハウス、電気自動車など新しい市場に移るとしても、実はスマホはモバイル端末の主役にいて、今後も成長のエンジンとなる。

例えば、サムスンが腕時計端末を発表したが、これはスマホと連動してメールや通話を行う端末であり、サムスン製のスマホ(限定機種のみ)とつなげなければただの時計にすぎない。これが「スマホの次」になることについては、取材した限りほとんどの人が否定的だ。やはりスマホ製品内外の回路や、ソフト、サービス、インフラで、新市場を見つけることが成長のカギとなる。

10月18日付けの日経産業新聞は、ルネサスエレクトロニクスの子会社であるルネサスエスピードライバが、低温ポリシリコンTFTを使った液晶ドライバIC「R63319」をスマホ向けにサンプル出荷したと、報じた。これはWQHD(1440RGB×2560画素)とWQXGA(1600RGB×2560画素)をカバーし、フルHDと同じ解像度アスペクト比の画面をサポートする。ドライバ回路だけではなく、画面に流れる動画コンテンツに応じてコントラストを自動的に調整しバックライトの消費電力を60%減らす機能や、アプリケーションプロセッサからのMIPIインタフェ−スとDSI(デジタルシリアルインタフェース)をつなぐブリッジ回路も内蔵している。消費電力ではIGZOパネルと競合する。

ザインエレクトロニクスは、タブレットなど中小液晶向けのドライバICやバックライト制御ICなどチップセットとしてタブレットメーカーに提供する、と11日の日経産業が伝えている。

シャープは亀山第2工場で、スマホ向けにIGZOパネルの量産を始める、と18日の日経が伝えた。第8世代の大型ガラス基板でスマホ向けの小さなパネルを生産するという。現在、天理工場で生産しているが、これまでの少なかった生産量を増強する狙い。ただし、具体的な生産数量は明らかにしていないという。IGZOの特許には半導体エネルギー研究所も絡んでおり、生産数量の公開は制約されているという見方もある。

タブレットは、ここ数カ月は様子見が続き、期待ほどの高成長ではなかったが、年末商戦に向け、国内でもようやく立ち上がりそうだ。これは12日の日経が伝えたもの。パソコンとタブレットの合計に対するタブレットの数量は8月に45%を超え、年内にもパソコンを超える勢いだとしている。

テレビ用のディスプレイとしての有機ELパネルをソニーとパナソニックが共同で開発することになっていたが、開発協議が年を越し量産開始が年内には間に合いそうもないことを、17日の日経が伝えている。両社の技術のすり合わせが難航しているという。

日経は「スマホの次」という切り口のシリーズ記事を掲載しているが、14日の記事では、腕時計型端末ギャラクシー・ギアをその一つに加えたり、ノキアとアルカテル・ルーセントとの合併のうわさを伝えたりしている。ただ、どちらも、スマホの次ではなく、スマホそのものの産業である。ギャラクシー・ギアの例でも、やはりスマホが主役であり、腕時計端末はスマホの周辺機器と考えるべきである。また、ノキアやアルカテル・ルーセントはスマホやタブレットなどモバイル端末の通信インフラを支える企業であり、モバイル端末のトレンドをしっかり見極めている企業である。また、ハイアールのような白物家電メーカーの狙いは、すべての家電をインターネットとつなぐIoT(Internet of Things)の世界を築くことである。例えば、インターネットにつなげた洗濯機やエアコンなどのスイッチを外出先からも制御するためのプラットフォームこそ、スマホである。

(2013/10/21)

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