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Intel、Atomベースのプロセッサをサムスンに初納入、Galaxy Tab向け

先週は台北で開催されたComputex Taipei 2013、東京でのJPCAショー、今週は京都で行われるVLSI Symposium 2013、と先端半導体のイベントが続く。ハイテクメディアが大勢台北に行ったわりにはニュースがさほど多くなかったが、いくつか拾ってみよう。

6月5日の日本経済新聞は、世界第2位のタブレットメーカーであるサムスンに、IntelはAtomベースのプロセッサを初めて納入した、と伝えている。Atomベースのプロセッサを搭載するのはGalaxy Tab。従来の32nmから22nmノードへと微細化したことで消費電力を大幅に下げることができたとしている。発表したIntelのトーマス・キルロイ主席副社長はバッテリ寿命が8時間以上あると述べた。

タブレット市場では、アップルは自社製、サムスンは自社製あるいはクアルコム製のアプリケーションプロセッサを使っているといわれており、Intelはこの市場では実績がほとんどなかった。この日経の記事では、プロセッサあるいはMPUと呼んでいるが、タブレットにはCPUコアに加えてグラフィックス、ビデオコーデック、カメラ用画像・映像処理プロセッサなどを搭載しており、実際にはアプリケーションプロセッサという呼び方が大勢を占める。Intelはアプリケーションプロセッサと称していたプロセッサをマーベルにスピンオフさせたためにモバイルプロセッサと呼んでいるが、今回のAtomベースのモバイルプロセッサはCPUだけではなく、グラフィックスなどさまざまな回路を集積している。

Intelはパソコン向けの新しい第4世代のCore i7プロセッサも発表している。これはウルトラブックやノートパソコンなどに搭載するもので、今年の年末商戦に向けたもの。

Computex Taipeiでは、台湾のエイスースとエイサーの間でタブレット戦略に温度差が見られたと7日の日経産業新聞は報じた。エイスースは脱パソコンとしてタブレットを4機種発表したのに対して、パソコンに強いエイサーは2機種にとどまったという。エイスースはアップル、サムスンに次ぐ第3位のタブレットメーカー。ローエンドからハイエンドまで揃えたとしている。

国内ファブレス半導体の1社、大日本印刷は、台湾のパソコンメーカー、広達電脳(クアンタ)に画像処理LSIを納入することで提携した。これは4日の日経が報じたニュース。このLSIはパソコンやタブレットの画像・映像の色を調整するための半導体。

真空装置のアルバックが発表した中期計画では、液晶パネル材料の一部を生産縮小し、半導体の製造装置に再び注力すると、6日の日経産業が報じた。新型メモリーや大口径ウェーハ、LEDなど向けの半導体製造装置や、液晶では高精細パネル向けや有機EL用の装置に力を入れるとしている。

中小型液晶パネルのジャパンディスプレイは、500億円を投資、茂原工場の生産能力を倍増すると、4日の日経が伝えている。中国の華為技術(ファーウェイ)やZTEなどの要求に対応したもの。ジャパンディスプレイは、アップルに依存し過ぎたためiPhone 5の売れ行きに大きく左右され、工場の稼働率が急低下したという経験を持つ。華為やZTEはサムスンが最も恐れるスマホメーカー。茂原工場の低温ポリシリコン技術で明るい画面を提供するようだ。

もう一つ前向きの話として、京都の大日本スクリーン製造がパワー半導体やMEMSセンサー向けの検査装置ZI-2000を数10台受注した、と7日の日経産業が伝えた。欧州の大手電子部品メーカーのシンガポール工場向けに、車載用パワー半導体ウェーハの回路を検査する装置だとしている。欠陥検出の精度や速度を高めたことが評価されたという。

(2013/06/10)
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