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中国半導体の明暗、南玻集団と宜昌市、多結晶Si工場建設へ

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アレグロレポート

 中国の半導体の生産は、いぜん好調を続けている。
 中芯国際集成電路製造有限公司(SMIC)は、湖北省武漢で12 インチウェハの新工場を建設することを明らかにした。投資額は100 億元(1,400 億円)で、土地と建物は武漢市が負担して2008 年第1四半期には稼動させる計画で、生産能力は月産2 万5,000 枚である。

 一方で最近、中国の前工程(ウェハ工程)半導体工場の建設が頓挫するケースが発覚して問題となっている。アレグロインフォメーションでは、既に昨年中国に於いて、登記上前工程工場(会社)はあるが、実態の無いケースが多くあることを把握していた。原因は、数年前の半導体投資ブームの反動であると思われる。資金調達計画の甘さや、需要予測(仕事がもらえる確認)の甘さが指摘されている。
 具体例として、江蘇省常州ではインテルの8 インチの技術を導入して7 億ドルの投資で立ち上げる予定であった常州納科徴電子は工場建設が停止している。北京の林河工業区で6 億ドルを投資して、8 インチの前工程工場の建設を計画していた阜康国際も資金が集まっていない様子である。


中国集積回路生産実績と予測


  中国の既存の前工程の半導体会社の多くは、技術レベルが低く、資金力も無く、大量に程よく生産をする経験が欠しく、技術導入や製造経験を学ぶパートナーが見つかりにくく不足していて、改良・改善が進んでいない。
 ここ数年の間に、相当数前工程半導体企業が淘汰されるであろうと見られている。
 テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機といった乱立する家電メーカーが淘汰されて、現在の姿になりつつあるようなことを中国政府は考えているのかもしれない。
 また、世界的に半導体ウェハの需要が拡大して、今後半導体ウェハを作る多結晶シリコンが不足する。このような状況を踏まえて、中国の大手ガラスメーカー南玻集団は、湖北省宜昌市で中国最大の多結晶シリコンの工場を作ることを宜昌市と合意した。
 60 億元(840 億円)を投資して年産4,500 トンの多結晶シリコンを製造する計画である。


2000-2010 China Semiconductor production


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2006年7月号からの一部抜粋です。

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