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半導体製造装置の受注は堅調だが、不安材料も

日本市場における半導体製造装置のB/Bレシオは7月末現在、3ヶ月の移動平均で1.15とまずまずの見通しを示した。日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した、2007年7月の「半導体製造装置受注・販売統計---日本市場」によるもの。推移のデータを見る限り、装置の受注は堅調である。

半導体製造装置 日本市場

この1年間の単月では、販売額よりも受注額が少なかったのは、2006年8月、10月、12月、2007年3月、6月である。なかでもはっきりとした有意差が見られた月は12月と3月だけであり、逆に受注額が販売額よりも多くの有意差が見られた月は06年12月と07年1月、2月、5月である。その他の月は受注額と販売額がほぼ同レベルにある。ここ1年の傾向は大きな波の影響がなく、受注額はわずかではあるが増加傾向にある。

むしろ、販売額の波が大きい。受注額は06年10月以来さほど大きな波はなく、少しずつ増加傾向にあるが、販売額は06年12月、3月に突然のピークがあり、その前後でそこの状態もある。

直近のデータをよく見ると不安材料はある。4月から7月までのB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は、0.93、1.08、1.18、1.15と好調のように見えるが、販売額、受注額の累計で見ると黄色信号が点滅している。4〜7月の販売額は対前年比15%増の3459億3100万円だが、受注額は対前年比-5.6%の3816億6100万円である。これをB/Bレシオで見ると、2006年4〜7月は4044億9700万円/3007億1700万円の1.35というきわめて高い値だが、2007年4〜7月は3816億6100万円/3459億3100万円の1.10という値に下がっている。

実は、販売額に関しては世界市場では低下傾向にある。SEAJ、SEMI、SEMIジャパンが共同で作成したWorld SEMS Report2007年7月版によると、販売額の対前年比は昨年7月の52.9%から2007年7月には1.33%にまで落ちている。伸びなくなってきているという意味である。


半導体製造装置月別売上推移


ただし、SEAJやSEMIの細かいデータを注意深く解析し、備えることで今後の展望を大きく間違えることはなくなったといえよう。

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