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CSIA理事長 愈氏が語る、中国の半導体産業の今後

2007 年上期の中国IC 産業、前年同期比33.2%増。
2007 年3 月、インテルは大連に投資額25 億米ドルで300mm 工場の建設予定を発表。
2007 年4 月、華虹NEC(Hua Hong NEC Electronics) はCYPRESS と提携し、013um エンベデッドフラッシュ/EEPROM プロセスに取り組んでいくことを発表。
2007 年6 月、展訊通信(Spreadtrum)は米国ナスダックに上場。
2007 年7 月、SMIC は65nm プロセスを年末に正式に量産開始することを発表。
2007 年8 月、長電科技(Changjiang Electronics Technology)は年間生産能力50 万個の新しいIC 工場を稼動開始したと発表。
今後、産業経済のルールに従い、IC 供給と需要の課題を解決するのが急務である。

2007 年1〜6 月の中国IC 産業は192.74 億個を生産、前年同期比15.2%増加した。売上高は、前年同期比33.2%増の607.22 億元(約9,716 億円)に達している。しかし、2006 年上期における中国IC 売上高の前年同期比48%と比べて、2007 年の実績は、やや低下する傾向にある。


中国集積回路生産実績と予測

(出典:アレグロ・インフォメーション 「中国のエレクトロニクス半導体」2007年9月号より)


中国半導体産業協会理事長の兪忠氏は、「産業が成長する過程において波があるのは世界中同じである」と述べ、中国半導体産業の前途が期待できると強調している。また、中国半導体産業の発展おいて、下記の3 点の課題に直面していると述べた。

1)海外への依存度が高い
2004 年以来、中国のIC と電子部品の輸出額は年々200 億米ドルを越えている。しかし、2006 年の200 億米ドルの輸出額に比べ、輸入額は1,035 億米ドルと大きく離れている。このように、輸出入のバランスが崩れている中国は、海外からの輸入の依存度が高すぎる。
2)コア技術の欠如
中国の主な半導体設計と製造技術は0.18um であるが、世界の先端的な設計と製造技術は90nm である。このため、中国はハイエンドのIC チップを輸入に依存し、製造装置や材料、IP 技術なども全て海外メーカーの技術を導入している。
3)産業発展と投資環境が不十分
中国の半導体産業は、拡大発展に伴い、人材不足や投資環境整備が不十分で、かつ最終製品のIC 需要の仕様と生産しているIC の仕様と、その利用分野が離れている状況にあり改善する余地がある。

兪理事長によると、「第11 期5カ年計画(2006〜2010 年)」期間は中国IC 産業が年平均伸び率約30%を維持するという。
しかし、兪理事長は、産業の発展戦略を高い伸び率だけを追求するのではなく、産業経済学の見地から、
1.中国IC 製品の設計研究開発力と製造供給力の拡大
2.産業革新力と産業サプライチェーン整備の向上
3.根本的に企業利益体質の強化
に取り組まなければならないと語った。

兪理事長は、中国を大規模で強いIC の国にするには、製品化、産業化、グローバル化を実現する必要があると指摘した。また、中国の半導体生産ラインについては、6 インチラインの生産はマーケットと利益がいずれも確保出来ているが、今後は8 インチと12 インチの発展に重点を置く。さらに、海外メーカーとの連携により、中国半導体産業のグローバル化を図り、更なる飛躍を期待している と述べた。


中国における建設中または建設計画の8 インチと12 インチ半導体生産ライン

中国における建設中または建設計画の8 インチと12 インチ半導体生産ライン
(出典:アレグロ・インフォメーション 「中国のエレクトロニクス半導体」2007年9月号より)


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2007年9月号からの一部抜粋です。

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