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日本の半導体製造装置市場、B/Bレシオが1.0を切る

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日本半導体製造装置協会(SEAJ)が日本市場における半導体製造装置の受注・販売統計の2007年8月度分を発表した。これによると、日本市場におけるB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は6月の1.18から7月の1.15へと下がり気味だったが、8月にきて0.95と、ついに1.0を切ってしまった。つまり、受注額の方が販売額よりも少なくなっているため、これからの先行きが懸念される。

一方、製造装置市場の先行指標となっているこれらの数字は、3ヶ月間の移動平均値を表すため、3ヶ月前の実態をやや引きずっている。例えば、6月単月の受注額は前年の1308億5300万円から今年983億8700万円へと落ちているが、3ヶ月の移動平均は4月と5月、6月の平均で計算するため、5月の受注額の高いことが影響し、6月が1.18というピークになった。


半導体製造装置 日本市場


3ヶ月の移動平均で表すのは、単月のバラつきを平均化するためである。しかし、先を読もうとして今の10月から見ると、8月のB/Bレシオには6月のデータをも含めるため、データの新規性という点では問題があるかもしれない。8月の単月は受注額905億8300万円に対して販売額は896億7400万円となり、B/Bレシオは1.0を超えているが、喜んではいられない。単月のばらつき誤差を考慮しなくてはならないからだ。

これらはあくまでも日本市場に限っているため、世界的な市場動向とは少し異なる。日本製半導体製造装置のB/Bレシオについてもまもなく、SEAJから発表されるが、傾向としては依然良くない方向に向かっている。


半導体製造装置 日本市場受注高合計

半導体製造装置 日本市場販売高合計


特にここ数日、米国ではサブプライムローン問題に端を発して、住宅価格の低下が顕在化し、住宅バブルがはじけたと発言するアメリカ人が出てきたため、しばらくは米国の景気動向に注意する必要がある。油断はできない。

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