中国のポータブルデジタルAV機器市場は“三国の演奏“
中国では、夏休み期間、中国ポータブルデジタルAV 機器が売れる。
2004 年の夏の商戦ではMP3 がブームとなり、2005 年にはそのMP3 がまるで貴族から庶民のような地位に落ち、今年の夏の商戦は次世代のMP4 、PMP(Portable Media Player) が脚光を浴びた。
今年のポータブルデジタルAV 機器は、MP3 とMP4 、PMP が、それぞれ3つの国の如く各々が大きく発展している。即ち中国流に云うと”三国演奏”のような展開が見られる。
中国では、MP4 の品質検査基準草案作りが2006 年5 月にスタートし、2006 年末に最終版が発表される予定である。MP4 は、MP3 規格をサポートするほか、MPEG 1(DAT 、MPG )、MPEG2 (VOB 、MPG )とASF の内、一つまたは数種類のフォーマットをサポートする。中国が定めるMP4 標準化は、品質、機能、性能を対象に、MP4 のストレージ容量、信頼性、互換性などの標準規格化を図っている。MP 4 プレイヤーはMP3 プレイヤーの後継機として、若者を中心に人気を集めている。
PMP は、ポータブルAV 機器のハイエンドユーザー向けに、持ち運びの便利性と静止画・動画の録画が出来るように多機能な機能を搭載している。
インテル、AMD 、TI 、サムスン電子など世界大手はこの市場の先駆者として参入しているが、世界のMP4 とPMP 市場の急速な成長によって、多くのメーカーが相次いで参入して来ている。
特に、中国では部品や半導体を入手すれば簡単に物真似して製造が出来るので、新規参入企業が多く、中国のMP3 、MP4 、PMP 市場は、激しい競争により、ブランド集約度が年々低下する傾向にある。中国のMP3 市場は、2003 年から2006 年の間に、ブランド集約度が58.8%から、47.3%、43.1%、38.3%と低下し、中国のMP4 、PMP市場は、2003 年から2006 年の間に、ブランド集約度が99.1%、92.9%、54%、56%と下がっている。
これらの製品に搭載する記憶容量は、1 G 以上が主流になりつつあり、2007 年にはギガ製品が8 割強を占めると予想されている。
セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2006年10月号からの一部抜粋です。