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日本製製造装置、受注額・販売額とも前年の30%台にまで凹んだ10月

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日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した、10月の日本製製造装置の受注販売状況によると、BBレシオ(販売額に対する受注額の比)は0.81という低迷を続けている。しかしもっと深刻なのはBBレシオではない。もはやBBレシオは意味を持たないほど、受注額、販売額とも低いレベルにやってきた。

半導体製造装置 日本製装置 受注高/販売高


0.81というBBレシオだけを見ると、やや低迷期かといえる数字である。7月、8月に1.09、1.07と1を超え受注額が販売額を超えていたときから、9月に0.95と1.0を割り、低迷期に入っていると見える。しかし、需要低迷は1年以上ずっと続いている、というのが業界の実感であろう。1.0を超えていた7、8月が良かったという半導体業界人は誰もいない。もはやBBレシオの意味がないほど低レベル期に入ったと考えるのが正しい評価だろう。

販売額、受注額を前年と比べるとその実感の正しさがわかる。販売額は前年のわずか36.5%の442億円にとどまった。2007年の10月は1211億円の売り上げがあった。前年同期比で見るととても厳しい数字である。1月、2月、3月はそれぞれ前年同期の96.2%、85%、82.8%と徐々に低下してはいたが、4月に67.2%と落ち、5月53.1%、6月は56.5%、と昨年の約半分にまで落ち込んだ。7月、8月はさらに悪化し、それぞれ42.7%、40.8%と落ち込み、9月は57.5%とやや戻す方向ではあったが、10月にふたたびドスンとここ1年の最悪値にまで下落してしまった。


半導体製造装置 日本製装置 販売高


受注額はどうか。10月の受注額は販売額同様、過去1年間の最悪水準にまで落ちた。2007年が1232億円だったが、今年はわずか392億円というさんざんな結果だった。受注額そのものもここ1年はずっと低下傾向で進んできており、特にこの10月は最もひどかった。

半導体製造装置 日本製装置 受注高


残念ながら米国の金融、経済と同様、出口はまだ見えない。ひたすら我慢の時かもしれない。ただし、忘れてならないことは半導体産業が長期的には成長産業であるということだ。短期的には極めて厳しい状況だが、必要以上に暗く考えてはいけない。さもなければ次の成長の機会を逃してしまうからだ。


(2008/11/27 セミコンポータル編集室)

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