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半導体材料市場、28年まで年率5.6%で成長へ

世界の半導体材料市場は2025年には前年比8%で成長しそうだ。このような予想を電子材料専門の調査会社TECHCETが発表した。半導体産業の成長と共にそれに使われる材料も成長していく。同社は2028年までの中期見通しも発表しており、それによると2023年から2028年までのCAGR(年平均成長率)は5.6%だとしている。

Semiconductor Materials Revenues ($M) / TECHCET

図1 半導体材料の売上額推移予想 出典:TECHCET


半導体材料がこのように順調に成長していくのは、世界的にAI関係の需要が伸び、そのために必要な半導体デバイスが成長するからだと見ている。2024年は半導体前工程のプロセス材料が回復し、前年比7%成長している見込みである。TECHCETがカバーしているプロセス材料の内、ALD/CVD用、リソグラフィ関係の材料、CMPに付随する材料、およびウェーハは、2025年に最も高い連続売上成長が見込まれ、それぞれ10%以上増加する見込みだという。

2025年の市場は、地政学的緊張が、特に米国と中国の間で継続的に続くと予想され、技術そのものの輸出や、特定の材料、半導体製造装置に対する輸出規制が強化されそうだ。とはいえ、AI の継続的な進歩に牽引され、コンピュータや自動車、モバイルなど、すべての市場が徐々に回復し、半導体の収益は堅調に成長すると予想している。民生用電子機器、PC セグメント、自動車セクターは、2025年上半期は緩やかなスタートを切るだろうが、2025年下半期には好調となり、年間では材料収益は全体で8%から10%の範囲で増加すると見ている。

半導体プロセス以外の材料、すなわち後工程のパッケージングに関する材料などは、これほど高い成長を示さず、半導体材料全体で5.6%のCAGRになると予想する。それでも2028 年には総売上額が 840 億米ドルを超えるという。

同社の調査はさらに詳細な材料に関しても行っており、CMP (スラリー、パッド、付属品)や、ALD/CVD 前駆体、ガス (バルクおよび特殊)、フォトレジストおよびエクステンション、スパッタリングターゲット、ウェットケミカル、金属メッキ、装置 (セラミック、石英、シリコン部品、O リング) などの半導体製造材料の詳細について調べている。

(2025/01/23)
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