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2024年の日本製半導体製造装置、初の4兆円突破へ

2024年の日本製半導体製造装置は、初めて4兆円を突破しそうだ。7月4日にSEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した、今年の日本製半導体製造装置市場は前年比15%増の4兆2522億円になる見込みだという。これまでのピークだった2022年では3兆9275億円だったため、今年は過去最高となりそうだ。この勢いは25年、26年も続くと見ている。

図1 日本製装置販売高予測 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の2024~26年の見通し(2024年7月現在) 出典:SEAJ


SEAJが1月に予想を立てた時の成長率は27%増だっただけに、これを見ると鈍ったように見えるが、実はそうではない。この時点では2023年の実績データが集まっていなかっただけである。つまり、1月時点では2023年の見込みが前年比19%減の3兆1770億円と見ていたが、7月に発表した2023年の実績値は3兆6976億円と5200億円も増え9.2%減しか落ちていなかった。

今回、2024年の予想値が1月での予想値4兆348億円よりも2000億円以上も高いと見込んでいるのにもかかわらず、前年が予想よりも5200億円も増えていたため、今年の成長率は15%増と1月の27%増よりも下がったという訳だ。

2024年の予想を前回よりも増やしたのは、メモリ市場の回復による。DRAM在庫がはけ、それを4枚、8枚、12枚など重ねたHBM(High Bandwidth Memory)がデータセンターなどでAIチップやSoCとセットで使われる状況になってきたため、これからDRAM投資が始まる上、NANDフラッシュもようやく黒字に戻り投資が活発になってくる。

パソコンレベルでも、AI専用回路とGPUを1チップあるいは1パッケージに集積したSoCがIntel、Qualcomm、AMDから発表され、この秋には本格的に製品が出回るようになるため、生産設備の増強が期待される。

(2024/07/05)
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