Semiconductor Portal

» セミコンポータルによる分析 » 市場分析

パソコン出荷台数がようやくコロナ前に戻った

世界のパソコン出荷台数が久しぶりにプラスに転じた、と米市場調査会社のIDCが発表した。2024年第1四半期におけるパソコンの出荷台数は、前年同期比1.5%増の5980万台になった。新型コロナ前の2019年第1四半期の6050万台に並ぶレベルにまでやっと戻ってきたとしている。

1Q24と1Q23のパソコン出荷台数比較 / IDC

表1 2024年第1四半期における世界パソコン出荷台数 出典:IDC


特に市場が戻ってきたのは、米国、そして欧州・中東・アフリカ(EMEA)、であるが、中国での回復が遅れており、需要はまだ弱いという。特に中国で台数の多いデスクトップPCがノートPCに押され、需要が減っているとしている。

ただし、回復の勢いは続くようだ。というのは、この秋ごろからAI機能を搭載したPCが登場し、その目新しい機能を売りにした需要が生まれるからだと、IDCは見ている。昨秋から今年初めにかけて、IntelのCore UltraやAMDのRyzen CPUなどに専用チップがAI集積され、それらのチップがPCメーカーに出荷されている。

これらのCPU(SoC)の登場により、どのような機能をAIで解決するのか、どのような機能を実現するのか、先月レノボを取材した時にみんなで議論し合っている最中だと回答していた。Googleのスマートフォン「Pixel 8」は何気ない便利な機能をAIで実現しており、もはやAIが搭載されていることが「売り」ではなく、AIでどんな機能を実現しているのかが「売り」になる。どのような新しい機能がPCに載るのか、によって需要は、大きく左右されるようになるだろう。

(2024/04/11)
ご意見・ご感想