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ESD産業は23年2Qになっても着実に成長、売り上げ低下は見られず

ESD(Electronic System Design)ツール市場は着実に成長している。SEMIのElectronic Design Market Dataによると、ESD産業は2023年第2四半期には前年同期比5.3%増の39億6270万ドル となった。23年2Qまでの4四半期(過去1年間)の売上額は、その前の4四半期分の売上額から9.5%成長している。

表1 ESD産業は不況知らず 出典:SEMI

表1 ESD産業は不況知らず 出典:SEMI


「2023年2QのEDA(Electronic Design Automation)産業の売上額は半導体IPコア部門の売上額が弱含みだったため、成長に制限を受けたものの、全ての設計ツールの売上額に含まれるライセンスと保守の売上額は好調で、16.1%成長した。日本以外は2桁成長を示した」。こう述べるのは、SEMIのElectronic Design Market Data部門の上級スポンサーであるWalden Rhines氏。同氏は長年、Mentor GraphicsのCEOを務めていた。

かつては、EDA産業という言葉が使われていたが、SEMIに組み込まれてからは、ESD産業という言い方をするようになった。Rhines氏は今でもEDA産業という言葉を使うようだ。

ESD産業の売上額の内訳は、表1に示すように、製品別、地域別にみることができる。表1からわかることは、半導体IPビジネスの売り上げは下がっていることであり、また地域別では日本だけがESDツールを購入していないこともわかる。ただし、日本は半導体ビジネスが低下しているというよりは電子システムを作る電子業界が低迷しているために、半導体IPも低迷しているといえそうだ。ESDツールは半導体製造以外のツールも多く、それらはプラス成長を示しているのに日本だけが成長していないためだ。つまり、半導体を持たない総合電機が成長していない現状のために半導体も成長していないといえそうだ。

(2023/10/24)
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