Semiconductor Portal

HOME » セミコンポータルによる分析 » 市場分析

日本製半導体製造装置が7月、やっと上向き傾向に

2023年7月における日本製半導体製造装置の販売額は、前月比8%増の2800億4100万円となった。これまで2023年3月をピークに落ち続けていたが、ようやくプラスに転じた。この前年同月比でのプラスへの変化は本物だろうか。それを解くカギの一つは3カ月の移動平均値で表現していることにある。

図1 日本製半導体製造装置は上向く

図1 日本製半導体製造装置は上向く


それだけではない。実は3月は決算の最終年度であり、毎年のことだが、駆け込み需要が発生する。このため3月には必ずといってよいくらいピークがくる。実は今年もその傾向が来ている。

日本製半導体製造装置は2022年の9月に史上最高の3809億2900万円をピークにして23年2月までずっと下降曲線でやってきた。3月に急に回復したように見えるが、これは年度末の支払いによって売り上げが立った月に相当する。3月の販売額3352億9500万円は1月、2月の販売額に3月の販売額を足して平均を求めた数字である。3月単月の数字はもっと高い。1月、2月の下がった数字から上げるためにはもっと高くなければ上向きにならないからだ。そして3月単月の数字は5月までの売り上げにも加算されているため3,4,5月の3カ月間は高止まりする。そして3月の数字がなくなった6月は再び大きく落ちた。

その次の7月には上向きに変化したということは、7月単月の数字が良くなったことを意味する。4月、5月、6月の平均よりも、5月、6月、7月の平均の方が増えたことは、回復傾向だと見て良いだろう。恐らく、次の6月、7月、8月の数字はほぼ横ばいになるはず。8月単月は夏休みがあり、販売力を含めた生産性は少し落ちるからだ。1年前のピークにはまだ回復しないものの、少なくとも9月は回復傾向の上向きになるだろう。

(2023/08/30)
ご意見・ご感想