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23年、在庫調整は進んできたものの、世界半導体は10%減にWSTSが下方修正

WSTS(世界半導体市場統計)が2023年の世界半導体市場予測を前年比10.3%減の5151億ドルになると下方修正した。昨年11月に予測したときは4.1%減の5570億ドルだった。半導体は山・谷を繰り返すシリコンサイクルがあるものの、谷の時でさえ前回の山の値よりも高いという成長産業であることに注意してほしい。

2023年春季 世界地域別市場予測 / WSTS

図1 WSTSが発表した2023年と24年の予測 今年は10.3%減だが24年は11.8%増の5760億ドルになると予想 出典:WSTS


実際、今回のサイクルでは、2022年がピークだったが、前回のピークは2018年の4688億ドルであった。今回のサイクルのピークは2022年の5741億ドルに対して谷は2023年の5151億ドルと下方修正されたものの、前回の2018年のサイクルのピーク4688億ドルよりも大きいことがわかる。半導体が成長産業であることは、これまでのWSTSのグラフを調べてみると同様なことがわかる。つまり、半導体産業は山谷の繰り返しのシリコンサイクルがあるものの、谷の時でさえ前回のサイクルの山の時よりも高い、という特長を持つ成長曲線を描く。

2023年は半導体製品の在庫調整がメーカー、流通業者とも行われている状況であり、少しずつ減少してきたという情報もある。6月7日の日本経済新聞によると、TSMC会長のMark Liu氏は、顧客に需要回復が見られると語っている。

TSMCが分類する、メモリ、ロジック、マイクロ、アナログ、センサ&アクチュエータ、オプトエレクトロニクス、ディスクリートと分けた製品別では(表1)、2023年の落ち込みが最も大きいのはメモリで35.2%減、その次がマイクロ(CPUとマイコン)の9.6%減、センサ&アクチュエータの6.3%減、アナログ5.7%減、そしてロジックの1.8%減とマイナス成長が予想されている。しかし、パワートランジスタが7割程度を占めるディスクリートは5.6%増、イメージセンサやレーザー、LEDなどのオプトエレクトロニクスは4.6%増、とプラス成長が期待されている。


2023年春季 製品別市場予測 / WSTS

表1 製品別の2023年、24年の予想 出典WSTS


IC製品の中では最も落ち込みが低いロジックには、GPUやFPGA、APU、DSPなどが含まれており、これらのダメージが最も少ない。しかし、需要が立ち上がる24年の成長率はそれほど高くはない。むしろ今年の落ち込みが激しいメモリが24年に43.2%成長すると期待されている。2024年には今年の反動としてIC全体で13.9%成長の4128億ドル、半導体全体では11.8%の成長の5760億ドルが予想されている。

参考資料
1. 「Gartner、IC Insights、WSTS、Omdia、23年の半導体市場予想を次々発表」、セミコンポータル (2022/11/30)
(2023/06/08)

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