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直近のファブレス半導体トップテン、20%減でもQualcommがトップ

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2022年第4四半期におけるファブレス半導体メーカーのトップテンランキングが発表された。これによると、1位のQualcommは変わらないが売上額が前四半期比20%減となり、2位Broadcomに迫られている。Qualcommと同様にスマートフォンビジネスに注力してきたMediaTekも26%減と落ち込みが激しく、スマホ向けチップは苦戦している。

4Q22 Revenueranking of Global Top 10 IC design Houses (US$ million)  / TrendForce

表1 2022年第4四半期におけるファブレス半導体トップテンランキング 出典:TrendForce


この直近のファブレス半導体ランキングを発表したのは台湾・シンガポールをベースにする市場調査会社のTrendForce。上位10社の合計売上額は339.62億ドルと前四半期比9.2%減となった。2023年の第1四半期も引き続き前四半期比マイナスになるだろうと同社は見ている。在庫調整が続いており、しかも1Qの業績は例年前年の4Qのそれよりも低下することを織り込んでそのように見ている。

1位のQualcommはスマートフォンの在庫調整の影響をまともに受け、スマホ向け製品は前四半期比で22.6%減、IoT向け製品は同16.2%減となり、トータルで同20.3%減の78.9億ドルになった。2位のBroadcomは同2.4%増の71億ドルとQualcommに迫っている。Broadcomはサーバーストレージのコネクティビティやブロードバンド、ワイヤレスネットワークなどで成長し、在庫調整を打ち消した。

3位のNvidiaは前四半期比2.7%減の59.3億ドル、とこれまで自動車とゲームで2四半期連続の急成長にブレーキがかかった。データセンターや可視化グラフィックス技術での落ち込みを自動車とゲームの成長で相殺していた。AMDは0.6%成長の56億ドルを売り上げた。これは、データセンターでCPU「EPYC」が採用された上に、Xilinxの買収でFPGAとDPUビジネスが成功したため。MediaTekはスマホビジネスの影響をまともに受け、26.2%減の34.5億ドルにとどまった。

前四半期比で11.2%増と最も大きな伸びを示したNovatekは、7.15億ドルを売り上げ、Realtekを抜いて7位にアップした。Novatekはテレビ用SoCや液晶ディスプレイドライバICに強いが、ここ4期連続マイナスだったが、どうやら液晶パネルの在庫調整が終わり反転し始めた。テレビ用ICは2.1%増、ドライバICは16.1%増と伸びた。

日本のファブレス半導体であるソシオネクストは、第4四半期売上額が561億円(4.3億ドル)であり、このトップテンにはまだ入れていないが、10位のWill Semiconductorの背中(5.31億ドル)が見えてきた。

(2023/05/02)

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