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2023年はDRAMの主用途がモバイルからサーバー向けに大きく転換する年に

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サーバー用のDRAMが2023年中にモバイルDRAMを記憶容量のビット数で超えるという見込みをTrendForceが発表した。DRAMの総ビット出荷量は、サーバー向けが37.6%になるのに対してモバイル向けは36.8%に留まると予想した。つまりこれまで、DRAMのビット出荷量全体をけん引していたモバイル向けがとって代わられることになる。

Figure: Server DRAM and Mobile DRAM as Percentages of Annual Total Bit Output, 2019-2024 / TrendForce

図1 DRAMの総ビット出荷数に対する用途別シェア サーバー用がモバイル用を2023年中に追い越すと見られている 出典:TrendForce


DRAM用途の残りはパソコン、その他であるが、これらは2019年時点ですでに26.7%しかなく、2023年でも25.6%とほとんど変わらない。このことはDRAMをけん引してきたスマートフォンなどのモバイル用途からクラウドやデータセンターなどのサーバー用途へと変化してくることを意味する。

モバイル用途の大部分を占めるスマートフォンの在庫が膨らんできており、このため、DRAMそのもののビット出荷率が抑えられてきた。一方で、Appleは今年の後半にリリースされる次世代iPhone用のDRAMビット容量を増やしている。これらを勘案して、TrendForceは、2023年のスマホの出荷ビット数は前年比6.7%増加すると見ている。一方、サーバー用DRAM需要は、2022年第3四半期以来、契約価格が下がり続けているため、2023年のDRAM容量は12.1%増加すると予測している。これらの結果、DRAMの用途別シェアとしてはサーバー向けが高まることになる。

また、NANDフラッシュはDRAM同様、新型コロナ需要でクラウド市場が拡大しサーバーの出荷量と、サーバー当たりのNANDフラッシュ搭載量がともに増えたが、ポストパンデミック時代に入りSSDの需要は縮んできた。NANDフラッシュ価格も下がってきたため、かえってサーバー1台当たりのNANDフラッシュの量は増え、前年比20%増になると見込んでいる。

さらにサーバーではAIやHPC(High Performance Computing)、ストレージ、企業向けSSDなどの需要が立ち上がることから企業向けSSDがNANDフラッシュ市場のビット需要を2025年に向けて広げるだろうと、TrendForceは見ている。

(2023/03/08)

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