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日本製半導体製造装置が3カ月連続下降へ、短期的な我慢の時期に

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世界の半導体製品販売額が11月に急にストンと落ち込んだが(参考資料1)、世界の半導体工場に装置を納める日本製半導体製造装置の販売額がこの12月にやはりストンと落ちた。短期的に製造装置市場は冷え込み始めている。

2019年から2022年の日本製半導体製造装置販売額の推移 / SEAJの数字を元にセミコンポータルがグラフ化

図1 日本製半導体製造装置の販売額(単位は百万円)


日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した、2022年12月における日本製半導体製造装置の販売額は移動平均値で3065億9600万円となった。これは11月の3354億9500万円から8.6%減少しており、1年前の12月での販売額と比べてわずか1.1%増にとどまった。

この数字は2021年1月から順調に上昇してきた日本製半導体製造装置の売上額にストップがかかったと言えそうだ。2022年9月に過去最高の3809億2900万円を記録した後は、ずっと下がりっぱなしで推移してきたからだ。すなわち、10月3470.5億円、11月3355億円ときて、12月には3066億円まで下がってきた。

半導体メーカー側も、これまでは米国のCHIPs法案やそれに従う日本の法案でも半導体工場の新設ブームにさえなっていた。ただ、2022年6月末にMicronがメモリの先行きが細くなっていることを述べて以来、メモリ在庫の調整局面に来ていることが明らかになった。SamsungやSK Hynix、キオクシアも全てメモリメーカーは22年後半から業績が低下し始めたことを明らかにした。

半導体全体の売り上げの落ち込み方はメモリほど顕著ではないが、TSMCのようなファウンドリもいよいよ需要低下の影響を受け始めている。12月の業績では、データセンターとスマートフォンでの売り上げが大きなTSMCは、1925.6億元と11月の2227.1億元から13.6%低下している。それでも前年同月比では23.9%も多い。プロセスノードでは22nm以上の製品しか製造していないUMCでも12月には209.5億元で11月の1年前よりもわずか3.3%しか成長していない。また11月からは7.1%減少している。

この先はどうなるのか、1月の結果次第で少しは見えてくるかもしれない。

参考資料
1. 「11月に入り急激に落ち込んだ世界半導体市場、でも18年のバブル期よりも上」、セミコンポータル (2023/01/13)

(2023/02/01)

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