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2023年3Qにおける世界のEDAツール、日本だけがマイナス成長

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EDA Allianceが最近発表した Electronic Design Market Data(電子設計市場データ)のレポートによると、2022年第3四半期のEDA(電子システム設計)産業の売上額は前年同期比8.9%成長の37億6740万ドルだった。EDAは半導体設計やプリント回路基板設計に欠かせない設計ツールのことを指す。

EDAの部門別・地域別売上 / SEMIの発表資料を元にセミコンポータルが作成

表1 世界半導体メーカーの売上額(単位は百万ドル) 出典:SEMIの発表資料を元にセミコンポータルが作成


EDA Allianceは最近SEMIの一部になり、SEMIは半導体製造装置や材料だけではなく設計ツールも扱うようになった。2022年第3四半期(3Q)におけるEDA製品・サービスのうち、半導体IPを除き全て大きく成長した。表1で4Q平均成長率とは、過去4四半期(1年間))における移動平均の成長率を示しており、この1年間でどれだけ成長したかを示している。

また、表1の下半分からもわかるように、日本だけがマイナス成長で、他の地域と比べ新しい設計ツールでシステム設計を行うことが減っていることを示している。つまり、日本でこれから出てくる電子製品が減少していることにつながっており、これは憂慮すべき事態かもしれない。ちなみに、EDMDレポートで調査対象としている企業には2022年3Qでは5万5369名の利用者がおり、前年同期比で8.2%増加している。また、前四半期比でも1.8%増えている。

全てのモノ作りは半導体も含めて、設計から始まる。設計図(半導体ではフォトマスク)があって初めて製造できる。その設計図を描くためのツールを日本が使いこなしていないということは、将来、電子製品のモノづくりが厳しいことにつながっている。

(2023/01/26)

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