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第3四半期の世界ファウンドリランキング、TSMC、シェアをさらに伸ばす

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世界ファウンドリの最新上位10社ランキングがTrendForceから発表された。1位のTSMCは2022年第3四半期(3Q)での売上額は前四半期比11.1%増と好調の201億6300万ドルとなり、シェアは前期の53.4%から56.1%に上がった。2位Samsung、3位UMC、4位GlobalFoundries、5位SMIC、と順位は前期と変わらないが、10社合計で6%成長している。

Table: Global Top 10 Foundry by Revenue, 3Q22 (unit: US$1 Million) / TrendForce

図1 世界ファウンドリ上位10社ランキング 出典:TrendForce


10社合計でこの第3四半期には352億ドルの市場となった。ただし、1位のTSMCは新しい機種のiPhone需要によって成長したものであり、全体的には中国経済の低迷の影響が出始めている。特に在庫調整期に入っているため、TrendForceは第4四半期のファウンドリ市場は前期比でマイナスになると予想している。

2位のSamsungは0.1%減の55.84億ドルとなったが、ウォン安の影響が大きいとTrendForceは見ている。ただ、Samsungのファウンドリ事業といっても、自社のスマホ用プロセッサやディスプレイドライバIC、CMOSイメージセンサも含めているため純粋のファウンドリ事業規模は、もう少し小さいだろう。Samsungの決算発表では半導体部門に関しては、メモリとそれ以外で分けられており、メモリ以外の製品とファウンドリ事業については公開していないため、ここではそれ以外をファウンドリ売り上げとしてカウントしている。

第3位のUMCは、14nm以下のノード相当のプロセスを手掛けておらず、22/28nmが最も微細なプロセスノードであるが、十分な利益を生み出している。売上額の22%が22/28nm、17%が40nm、65nmが18%とこの3つの微細化プロセスで売上額の57%を稼いでいる。売上額に対する営業利益率も40%と好調に推移している。台湾元ベースでは4.6%成長だが、米ドルベースでは台湾元安の影響で1.3%成長となっている。

第4位のGlobalFoundriesは、4.1%増の20.7億ドルだが、製品ミックス戦略によりウェーハ出荷量が増え、平均単価も最適値に落ち着いたとしている。稼働率は90%を維持しているという。

第5位の中国SMICは、0.2%増の19.1億ドルにとどまった。製品ミックス戦略だが、ユーザーの在庫調整が大きく、横ばいという結果になった。ただし、米国の対中輸出規制が強まり、ウェーハ投入量を増やさないようだが、長期的な需要を見て将来への投資はむしろ強めている。2022年の設備投資は前年比32%増の66億ドルに増強した。SMICは、深センと北京、上海の新工場への製造装置の購入を急いでいるためだ。23年には規制はより強まるため、今のうちに手配しておこうという戦略のようだ。

短期的には民生用電子機器の在庫調整が進んでいないようだ。テレビ用の液晶ディスプレイドライバICやマイコンなどの在庫調整が続き、特に民生機器向けのファウンドリは第4四半期には稼働率が下がり、売り上げも下がるとTrendForceは見ている。

参考資料
1. 「ファウンドリランキング、中国企業が3社もトップテンに加わる」、セミコンポータル (2022/06/21)

(2022/12/09)

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