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半導体製造装置の販売額、毎月から四半期ベースに

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セミコンポータルが定点観測してきた、北米製および日本製半導体製造装置の毎月の販売額が2022年からSEMIからは発表されないことが明らかになった。四半期ごとの地域別製造装置市場のデータに代わることになる。2022年第1四半期における世界の製造装置販売額は前年同期比5%増の246.9億ドルとなった。

表1 世界の半導体製造装置販売額 単位は10億ドル 出典: SEMI

表1 世界の半導体製造装置販売額 単位は10億ドル 出典: SEMI


製造装置は、地域別に取ると凹凸が大きすぎる。その時々の投資金額がファウンドリやメモリのような高額の投資に左右されるからだ。ある時期は韓国のメモリ投資が大きく、別の時期は台湾のファウンドリ投資が大きい。翌年は投資金額が下がるからと言って不況が来るわけではない。中には1台100億円以上もする装置があるため、1台納入できた時期と、そうではない時期で大きな差が出る。

年間でならすと大きく伸びたかどうかがわかるが、4半期ベースだと却って販売額の凹凸が顕著に出て、経済動向をつかみにくい。表1のように、2022年第1四半期では、全体で5%成長だが、中国や北米、日本、欧州、アジアが2桁成長したものの韓国と、台湾が2桁のマイナス成長になっており、この表から地域別に成長しているかどうかの判断はできない。

むしろ販売の絶対額を見ると、前四半期から中国が購入トップとなっており、地域別の特長は伸び率よりも金額そのものの方が傾向を捉えることができそうだ。

北米は半導体ファブレスでは圧倒的に強く、半導体製品そのものでも市場シェア50%程度を持つジャイアンツではある。しかし、製造は弱い。製造においては、韓国、台湾と共に中国が製造装置を急速に揃えていることがはっきりと読み取れる。1年前には59.6億ドルを購入し、2021年第4四半期には81.8億ドルと1兆円近くも購入したうえに2022年の第1四半期になっても75.7億ドルと依然として巨額の製造装置を購入している。

ただ、製造装置業界全体で見ると1年前よりも5%しか増えていない。製造装置はそろそろ頭打ちなのか。従来の統計グラフ(図1)を見る限り、少なくとも日本製半導体製造装置はピークに来たように見える。


日米半導体製造装置販売額/ SEMI・SEAJの数字をもとにセミコンポータルがグラフ化した

図1 毎月の日本製および北米製半導体製造装置の販売額推移


ただし、これで成長が止まるわけではないだろう。1〜2年後には再び上向きになるに違いない。6月13日の週間ニュース分析(参考資料1)で見るように、台湾での工場建設がラッシュを迎えているため、台湾の製造装置市場はこの先、もっと増えることは間違いないだろう。それに引きずられて米国でも製造装置市場が上向くはずで、日本市場もそうなることが期待される。

参考資料
1. 「半導体投資、ファウンドリ・メモリ・パワー半導体で活発に」、セミコンポータル (2022/06/13)

(2022/06/14)

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