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台湾ファウンドリの世界シェアは66%に、ただし台湾生産は減る方向に

2022年のファウンドリ市場のメーカー別、地域別のシェア見通しが発表された。これによると、2022年のファウンドリ市場全体は、2021年のそれよりも19.8%増の1287.8億ドルになりそうだ。これを発表したのは台湾系市場調査会社のTrendForce社。地域別ではもちろん台湾の66%シェアがトップで、メーカー別でもTSMCの56%シェアがトップである。

Foundry Revenue by Market Share, 2021 - 2022 / TrendForce

図1 世界ファウンドリメーカーの市場シェア 出典: TrendForce


TSMCの市場シェアは2021年の53%からさらに進み3%ポイントも上昇する見込みである。台湾そのものの市場シェアも前年の64%から2%ポイント上がる見込みだ。地域別で、台湾に次ぐのは韓国で、そのシェアは17%となり1%ポイント減少するという。その次が中国の8%、そして米国の7%へと続く。

台湾のファウンドリがここまで強いのは、台湾ならではのビジネスの共通点から来ている。つまり他社とは同じものを作らない、という発想だ。TSMCは5nm/7nmという最先端で全売上額の半分を稼ぎ、UMCは22nm以上のプロセスでまんべんなく稼いでいる。互いにすみ分けている。第3位のPSMCはスペシャリティDRAMやディスプレイドライバ、CMOSセンサなどで稼ぎ、VISはSOI(Silicon on Insulator)や高耐圧IC、MEMS、GaNなどで稼ぐ。つまり、どの台湾メーカーとも競合しないように互いにうまくすみ分けている。これが台湾ビジネスの本質である。

工場の数は台湾が圧倒的に多い。8インチと12インチの工場は台湾に24カ所もあり、2021年の新工場計画は台湾が6工場あり、次に中国の4工場、米国の3工場が続く。

2022年は台湾は世界の12インチウェーハ相当で換算したファウンドリの生産能力の48%を持つだろうとして、12インチウェーハファブの生産能力だけで50%以上のシェアを握ることから、16nm以下の12インチウェーハファブの生産能力は61%シェアにもなる。

ただし、台湾におけるファウンドリ生産能力は2025年には44%まで下がるだろうとTrend Forceは見ている。台湾のファウンドリメーカーが世界各地で生産するようになるからだとしている。すでに中国や米国、日本、シンガポールなどに進出している。

参考資料
1. "Localization of Chip Manufacturing Rising. Taiwan to Control 48% of Global Foundry Capacity in 2022, Says TrendForce", TrendForce (2022/04/25)
2. 「直近のファウンドリ企業トップテンランキング」、セミコンポータル (2022/03/15)

(2022/04/26)
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