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世界半導体ユーザートップテンランキング、1位をAppleが維持

2021年の世界半導体ユーザー(購入企業)トップ10社を米市場調査会社のGartnerが発表した。それによると、1位Apple、2位Samsungは変わっていないが、Huawei(華為)が3位から7位へと大きく後退した。ただ、半導体製品のけん引役はスマートフォンとコンピュータであることは変わっていない。日本企業は相変わらずゼロだ。

表1 世界半導体購入企業のトップ10社 出典:Gartner

表1 世界半導体購入企業のトップ10社 出典:Gartner


今回の半導体ユーザーランキングで、華為の後退に伴い、代替役としてのBBKとXiaomiがそれぞれ63%増、68.2%増と大きく成長した。この2大スマホ企業に日本の半導体企業が食い込めなかったようで、華為に大きく依存していた日本の大手半導体メーカー2社は残念ながら成長できなかった。むしろ、海外の半導体企業はどのようにして小米(Xiomi)やBBK(VivoとOppoの親会社)に食い込めたのかをしっかり学ぶべきであろう。

半導体ユーザー企業の成長率は全体で25.1%増と大きい。2020年の半導体購入額4662億ドルから2021年には5883億ドルへと飛躍した。この伸びは、半導体市場統計を取っているWSTS(世界半導体市場統計)の2021年見込数字とほぼ一致する。

半導体不足は未だに懸念されている状況であり、大口ユーザーであるスマホとコンピュータのメーカーは、出荷量を全て購入し在庫を増やしていると言われている。現在不足しているのは、これらの大口とクルマメーカーを除く電子機器メーカーであろう。例えば、瞬間湯沸かし器やトイレの便座に使われる半導体は不足しているため、納期が3〜4ヵ月先と言われている。むしろ私たちの生活に密着しているこれらの製品が壊れたら、当分お風呂に入れない、トイレを使えないという不自由な生活を強いられることになる。

Gartnerによると、マイコンや汎用ロジックIC、ASICなどの半導体チップは平均単価が15%以上も値上がりした。同社のアナリストでディレクターの山地正恒氏は「半導体不足により、主要電子機器メーカーの二重発注やパニック買いが加速し、半導体消費が急増しました」と述べている。

AppleやSamsungのように自社内で半導体を生産している企業は、自社で消費する半導体はこの中に含まれていないようだ。Gartnerによると、Appleの半導体消費額はメモリが36.8%増、それ以外製品は20%増しか消費していない。同社のCPUは、外部からの購入から、自社設計のアプリケーションプロセッサに変えたため、減少したと見ている。

(2022/02/01)
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