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半導体製品の成長を示すESD設計ツール市場は2桁成長

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SEMIがESD(電子システム設計)産業の売上額が2021年第3四半期(Q3)に前年同期比17.1%増の34億5810万ドルに達したと発表した(参考資料1)。ESD業界を束ねる組織ESD Allianceは2018年にSEMIの一部になった。CAEをはじめとしてESDの各分野の内、最も成長率の高い設計ツールはSIP(System in Package)であり、後工程ツールが伸びている。

表1 2021年第3四半期におけるESD分野の販売額 出典:SEMIが発表したリリースを元にセミコンポータルが作成

表1 2021年第3四半期におけるESD分野の販売額 出典:SEMIが発表したリリースを元にセミコンポータルが作成


IC物理設計/検証分野を除き、全て2桁成長となっている。このことは新しい設計ツール市場が拡大し、これらを必要とするICメーカーやユーザーが増えていることを意味する。そして、これらの新設計ツールを使って、新しいIC製品が続々登場することが期待される。

販売額をまとめたESD Allianceによると、2021年第3四半期に5万1182名がツールを使ったことになり、2020年第2四半期の4万7087名から8.7%増えている。また2021年第2四半期から比べても2.4%増えている。つまり、新しい設計ツールを使って新しい半導体製品を設計している人たちが増えているといえる。半導体不足はあくまでも現在量産中の製品が足りないことを示しているが、新しい設計ツールの需要はそれを使ってこれから新しいIC製品を生み出すことを意味する。つまり半導体製品が拡大・成長することになる。


表2 地域別のESDツールの販売額 出典:SEMIの発表リリースを元にセミコンポータルが作成

表2 地域別のESDツールの販売額 出典:SEMIの発表リリースを元にセミコンポータルが作成


地域別の販売額は表2にあるように米国が最も金額が大きいが、アジア太平洋地域も近づいており、新しいICの設計は米国とアジア太平洋から生まれてくることを表している。

なお、CAEはソフトウエアベースのIC設計ツールを示しており、論理設計から論理シミュレータ、論理合成(ネットリスト作成)、回路シミュレーションなどのツールを含んでいる。構造解析分野では、CADは単なる構造の形を設計し、CAEはそのシミュレーションを意味する言葉だが、IC設計ではシミュレーションと論理設計を含む総合的なIC設計ツールを意味している。

これらの伸びの内、MCM(Multi-Chip Module)やSIPなどのICの後工程の設計ツールが大きく伸びていることを示している。

参考資料
1. "Electronic System Design Industry Logs 17% Year-Over-Year Revenue Growth in Q3 2021, ESD Alliance Reports", SEMI (2022/01/17)

(2022/01/18)

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