世界の半導体ランキング、17社が100億ドル超え
2021年の世界半導体メーカーは17社が100億ドル(1.1兆円)を超える半導体売上額を計上する見込みだ。市場調査会社IC Insightsがこのほどその上位17社を発表した。日本からは残念ながらNANDフラッシュのキオクシアのみとなった。また17社の内、唯一のマイナス成長を示したIntelはSamsungに抜かれ2位になりそうだ。
表1 100億ドル以上の売上額を持つ世界のトップ17社 出典: IC Insights
IC Insightsが見積もった2021年の半導体売上額の上位17社の中で、最も低いAnalog Devices社でさえ、100.79億ドル(約1.14兆円)となり1兆円を超す。もっとも高い売上額はSamsungの前年比34%増の830億8500万ドル(約9.39兆円)と見積もられている。2017/18年のメモリバブルでは一時的なトップだったが、今回はどの分野の半導体もほぼ成長したため、文字通り世界の頂点に達したといえる。
これら17社の内、2020年まで100億ドルに達していなかったAMDとNXP、Analog Devices(ADI)の3社も2021年は100億ドル以上を売り上げることになる。ADIはMaxim Integrated社を買収したことによって大きく成長した。
また、最も成長率の高かったAMDは、65%成長の161億800万ドルとなりそうだ。AMDは、当初のIntel互換機のx86アーキテクチャで低価格をウリにしたパソコン向けCPUや組み込み系やデータセンター向けのハイエンドCPUだけではなく、2006年に買収したカナダのATIのGPUを武器にゲーム用パソコンをはじめ、GPUを使ったHPC(High Performance Computing)分野への進出などでIntelと差をつけるようになった。GPUがベクトル演算に最適なプロセッサであり、スーパーコンピュータやAI演算専用のプロセッサとしてNvidiaと共に急成長している。ここ2〜3年、Intelが足踏みしている間にLisa Sue CEOの経営力がAMDを蘇らせた。2020年10月にはXilinxを350億ドルで買収することで合意に達した。XilinxのFPGAを手に入れることで、AMDはHPC分野から車載応用など製品ポートフォリオをさらに広げることができる。
IC Insightsは、2021年11月に世界の半導体上位25社の成長率ランキングを発表したが(参考資料1)、その時は売上額を公表していなかった。今回は100億ドル以上の売上額の企業を並べた。ちなみに25社に入っていて、100億ドルに達していない8社は、SMIC、ルネサスエレクトロニクス、GlobalFoundries、Onsemi、Microchip、Western Digital、ソニーセミコンダクタソリューションズ、UMCとなる。ファウンドリ4社が半導体大手25社に入っている。
参考資料
1. 「2021年の世界半導体企業成長率ランキング、4位までがファブレス大手」、セミコンポータル (2021/11/24)