2021年の世界の半導体市場、60兆円規模に成長;WSTSの最新見通し
2021年の世界半導体市場は前年比25.6%成長の5529億6100万ドル(約60兆円)になりそうだ、とWSTS(世界半導体市場統計)が発表した。成長率の最も小さい日本市場でさえ19.5%成長としている。2020年から継続して成長し、ワクチン接種で経済活動が再開したためとWSTSは見ている。この予測はWSTS加盟各社の9月までの数字を元に作成された。
表1 WSTSによる世界半導体市場 2021年と22年は予測 出典: WSTS
製品をICとその他の半導体と分類しており、ICの成長率は同27.6%と大きく、4608億4100万ドル(約50兆円)になる。IC以外の半導体として、ディスクリート半導体が同26.4%増の301億ドル、発光・受光の光半導体は同7%増の432.3億ドル、センサは同25.6%増の187.9億ドルとなっている。
ICの中では成長率順に、同34.6%増で1581.6億ドルのメモリ、30.9%増で728.4億ドルのアナログIC、27.3%増で1507.4億ドルのロジック、そしてマイクロプロセッサやマイクロコントローラを合わせたマイクロ分野が13.5%増の791億ドルと続く(図2)。メモリは2017年のメモリバブル以来の高い成長率となり、売上額が最も大きく、ICの中の34.3%を占める。
図2 ICの製品別成長率と金額 出典:WSTS
メモリの内訳に関しては、WSTSは公表しないため、市場調査会社TrendForceの数字の予測を見ると、メモリ合計で29.7%増の1604億ドルとなっており(参考資料1)、すでにWSTSの予測を上回っている。TrendForceは、DRAMを前年比36.1%増の913億ドル、NANDフラッシュを同21.9%増の691億ドルと見ている。
来年の2022年に世界の半導体市場はさらに8.8%成長して6014億9000万ドルになると見込まれている。
参考資料
1. "Annual DRAM Revenue for 2022 Expected to Reach US$91.5 Billion, with Prices Likely to Rally in 2H22, Says TrendForce", TrendForce (2021/11/04)