大手OSAT10社の21年第3四半期売上額は31.6%成長
半導体供給不足は後工程でも同様だが、旺盛な需要により大手OSAT10社は各社工夫を凝らし業績を伸ばした。2021年第3四半期におけるOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)トップ10社の合計売上額は、前年同期比31.6%増の88億9000万ドルに達した。これは台湾系の市場調査会社TrendForceが発表したもの。
図1 2021年第3四半期におけるOSAT企業のトップテンランキング 出典:TrendForce
トップのASEは、1年前より41.3%増の 21.5億ドルに成長、トップを維持し2位以下を引き離した。生産の稼働率が半導体チップやリードフレーム、サブストレートなどの不足により、落ちたものの、蘇州にある同社の工場は9月末に起きた電力制限を考慮して、リードタイムを長くしたことでその影響を少なくした。この結果、2021年第4四半期もスマートフォン用のアプリケーションプロセッサ(APU)やネットワークチップ、自動車用チップなどのパッケージングとテストの需要は強いとTrendForceは見ている。Amkorも同様で、第4四半期から2022年も5G、IoT、AIなどを取り込んだ最終製品市場が拡大していくと見ている。
第3位のSPILは、10社の中で伸び率が最も低い15.6%増に留まった。中国華為科技のAPUのパッケージング業務の減少分を補えなかったためだ。そこで台中市の南に40km離れた二本鎮の新工場で先端パッケージング技術の開発を強化しようと狙っている。
9月末に起きた中国江蘇省、浙江省、広東省での電力制限の影響や、半導体チップとサブストレートの不足によって稼働率は若干下がったが、各社が持つ複数の工場全体で調整することで対処したという。この結果、稼働率全体では電力制限などの影響をほとんど受けなかったとしている。
参考資料
1. 「最新OSATメーカーのトップ10社ランキング」、セミコンポータル (2021/09/07)