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半導体製造装置、2Qに48%成長の背景;日米とも中国への輸出で大きく稼ぐ

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2021年第2四半期における世界半導体製造装置の販売額は、前年同期比48%増の248.7億ドルを記録した(参考資料1)。製造装置が販売された最大の地域は中国で、前年同期比79%増の82.8億ドルに達した。これまでは台湾と韓国が最大だったが、もはや中国が最大の市場となった。

表1 半導体製造装置の地域別販売額 出典: SEMI

表1 半導体製造装置の地域別販売額 出典: SEMI


前四半期比で比べても、韓国が9%減、台湾も12%減だったが、中国だけは38%増となり、半導体製造装置を懸命に導入している様子がうかがえる。中国にとって、外国製半導体製造装置は欠かせない。自国ではとてもそこまでのレベルに達していないためだ。表1において2021年第2四半期における世界販売額248.7億ドルの内、中国向けの82.2億ドルは世界市場全体の33%に当たる。

実際、Applied Materialsの2021年度第3四半期(5〜7月期)における売上額は前年同期比41%増の62億ドルだったが、その36%に当たる22.51億ドルが中国向けである。また東京エレクトロン(TEL)の2021年4〜6月期の売上額は43.6%増の4520億円と大きく成長したが、その内の4379億円が純粋の半導体製造装置部門の売り上げで、その35%に当たる1536億円が中国向けだ。つまり、日米のトップメーカーが中国向けに製造装置を輸出することで大いに潤っている構造だ。

表1において中国向けが33%に当たるというこの数字は、AMATとTELの中国向けの半導体製造装置販売額の比率もそれぞれ36%、35%と似たような数字になっている。つまり、各企業の決算報告書で裏付けられたといえる。

中国では、半導体製造装置を自国で設計製造することはそう簡単ではない。AMATやTELのように海外の製造装置メーカーに頼らざるを得ない状況にある。半導体製造装置は、半導体プロセス技術だけではなく、プラズマ化学やプラズマ物理、高周波技術、ロボティックス、機械加工技術、そして電子制御するためのマイコンや組み込み設計技術など、いわゆる総合技術が求められる。短期的に簡単に金儲けしようという、これまでの共産主義市場経済の中国マインドでは、育って行かない。政府の補助があるからといって半導体産業に飛びつく企業が急増したものの、失敗例が多いようだ。

一方、製造装置を中国へ輸出する企業側もワッセナール協定(最先端の半導体製造装置を共産圏へ輸出できないという約束で、旧COCOMから発展したもの)を遵守しており、最先端よりも1〜2世代前の製造装置に限り中国へ輸出している。現在は7nm/5nm向けの製造装置は輸出できない。政治・軍事的な協定とビジネスをうまく両立させている。

ただし、中国は長期的に戦略を立てる国であるから、STEM(Science Technology Engineering and Mathematics)教育レベルから見直す長期戦略を立てれば、10〜20年後には追い付く可能性はある。

参考資料
1. "Second Quarter 2021 Global Semiconductor Equipment Billings Surge 48% Year-Over-Year to Record High of $24 Billion, SEMI Reports", SEMI (2021/09/07)

(2021/09/15)

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