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ファウンドリも含めた直近の世界半導体トップ10社ランキング

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2021年第2四半期における世界半導体メーカーのトップテンを米市場調査会社のIC Insightsが発表した。先週発表したSemiconductor Intelligenceは(参考資料1)は、ファウンドリ企業を除外しているが、IC Insightsはファウンドリも含めている。TSMCの規模感を知るためだ。ここでもSamsungがIntelを抜き1位になったことを示している。

2Q21 Top 10 Semiconductor Sales Leaders ($M, Including Foundries) / IC Insights

図1 ファウンドリも含めた直近(2021年第2四半期)の世界半導体メーカートップ10社 出典: IC Insights


このトップテンランキングでは、3位TSMC、4位SK Hynix、5位Micron、6位Qualcommの順は変わらないが、7位から10位までは順番が変わっている。Nvidiaが1年前の8位から7位に上がり、台湾のファブレスMediaTekが10位から9位に上がった。

1年前から大きく2桁成長を遂げたのはメモリメーカーとNvidia、MediaTekであった。それぞれ14%増、17%増と大きく伸ばした。Nvidiaはゲーム機とAIで伸ばし、MediaTekは5Gのモデムやアプリケーションプロセッサで成長した。メモリメーカーでは、1位のSamsungが19%成長、4位SK Hynixが21%成長、5位Micronは16%成長と全て2桁成長であった。トップテンのランキング外だが11位のAMDは12%成長を遂げており、トップテン入りを狙っている。

このトップテンでは日本と欧州の企業はゼロ。米国企業が6社、韓国企業2社、台湾企業2社であった。そしてファブレス企業は4社、ファウンドリ1社、メモリ以外のIDM(設計・製造を手掛ける半導体メーカー)は2位に落ちたIntelと10位のTIだけである。10位のTIが43億ドルであるから、四半期でこれだけの売り上げがなければトップテン企業には入れないことになる。

メモリメーカーはDRAMとNANDフラッシュの単価の値上がりと需要拡大によって売り上げが伸びた。特に今回1位に返り咲いたSamsungは、2017年と2018年のメモリバブルの時も、単価の値上がりによって1位になっている。次の第3四半期の見通しでは、Samsungはさらに10%増加して223億ドルと見積もっており、Intelは188億ドルとしているため、その差はますます開くことになる。

IC Insightsは発表したニュースリリース(参考資料2)の中で、2021年の世界半導体市場は23%成長すると見ている。ただし、半導体市場を見る場合はファウンドリを除外する必要がある。ファウンドリの売上額はファブレスやIDMのコストとなり、売上額をダブルカウントし、正確な半導体製品の市場とはならないからだ。

参考資料
1. 「第2四半期における世界半導体ランキング、トップはSamsung」、セミコンポータル (2021/08/19)
2. “Samsung Passes Intel to Become World’s Largest Semi Supplier in 2Q21”、IC Insightsニュースリリース (2021/08/19)

(2021/08/24)

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