後工程請負OSAT市場、2020年2Qにおける最新上位10社ランキング
後工程のアセンブリとテスト工程を請け負うOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)の最新版世界トップテンが発表された。2020年第2四半期におけるOSAT各社の売上額で上位10社を示している。1位の台湾ASE、2位米Amkorは変わらないが、3位には台湾のSPILが昨年同期に4位から一つ上げた。これは台湾の市場調査会社TrendForceが発表したもの。
表1 2020年第2四半期におけるOSAT企業トップテン 出典:TrendForce
トップ10社の売上額は49億9500億ドル(米ドル)で、OSAT市場全体の売上額63億2500億ドルの79%に当たる。右から2列目の2020年第2四半期の市場シェアは、上位10社のシェアであり、OSAT市場全体に占めるシェアを表していないことに注意が必要だ。上位10社の内、2位のAmkor以外は、中国と台湾勢しかいない。中国はJCETとTSHT、TFMEの3社で、残りの6社は全て台湾を拠点とするメーカーだ。3位のSPILはASEに買収されたが、ASEの売り上げにはSPILの分を差し引いている。
かつて、後工程は前工程よりも価値の低い産業と見られていたが、最近はウェーハプロセスの前工程と、アセンブリ・パッケージングの後工程との境界がはっきりしなくなるようになった。もはや価値の低い産業ではない。例えばファンアウトパッケージはTSMCが手掛け、微細な技術を使った最先端のパッケージ技術はIntelがチップレットを推進する、ポスト・ムーアの法則の先端技術となっている。
第2四半期の売上額が前年同期比30%を超える企業が台湾勢を中心に4社もあるのは、半導体産業の好調さではなく、華為科技からの駆け込み需要による。米中貿易戦争の結果、華為に対して9月16日以降は、華為に向けた製品を出荷できない。製造装置に米国製品を使っているからだ。逆に米国製半導体製造装置を使わずに半導体IC製品を作ることは極めて難しい。今の内に半導体を作り貯めしておこうという華為の意図が見える。
このように台湾4社が30%を超え、中国3社も30%近い成長率を示したが、米中問題に加え、香港における国家安全法の成立、南沙諸島における領土問題など中国を起因とする問題がくすぶっている以上、今年後半の成長は限定的、との見方をTrendForceは示した。