ファウンドリ業界は新型コロナの影響を考慮しても6.8%成長
2020年のファウンドリビジネスは新型コロナウイルスの影響下であっても5〜9%成長はするだろう、との見積もりを市場調査会社TrendForceが発表した(参考資料1)。中央値は6.8%成長だという。当初は2ケタ成長を見込んでいたが、新型コロナによる経済活動の下降によって下方修正したもの。

図1 ファウンドリビジネスはメモリより浮き沈みが少ない 20年は6.8%成長を期待 出典:TrendForce
台湾をベースとする市場調査会社のTrendForceは、テレワークや医療向けのチップは需要が多く2020年第1四半期(Q1)は好調だったものの、経済全体としては需要が下向きになっているため、Q2以降は少し下がるだろうと見ている。実際、20年Q1ではTSMCやUMCなどファウンドリメーカーはそれぞれ前年同期比45.2%成長の103億ドル、同29.7%成長の14億ドルと絶好調だった。TSMCは第2四半期も101~104億ドルを見込んでいる。
新型コロナによる感染拡大の影響は、Q2での受注に少し響くだろうとしているが、受注調整はさほど大きくなく、Q1よりも若干下がったとしても前年同期比ではプラスになると見ている。
短期的には新型コロナの感染拡大による経済活動の縮小が消費者の購買力を下げるだろうが、長期的には5Gスマートフォンへの期待、基地局やデータセンターの拡張、産業用IoTの成長などプラス要因も大きい。ただし消費者市場は当分、冷え込むため、これまでのような大きな期待は難しく、ファウンドリメーカーは需要をしっかり見極めながら対応していく必要がある。
参考資料
1. Total Foundry Revenue to Undergo Single-Digit Growth in 2020, Owing to Deferred Seasonality from COVID-19, Says TrendForce (2020/04/29)