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2月までは半導体製造装置産業は完全回復、コロナウィルスの影響がこれから

2020年2月における日本製および北米製半導体製造装置の販売額は、共に前年同期比と前四半期比共にプラス成長で、着実な回復といえる結果を生み出している。日本製半導体製造装置は、売上額が前年同期比14.4%増の1724億2000万円、北米製のそれは売上額が26.2%増の23.684億ドルになった。これらはSEAJとSEMIがそれぞれ発表したもの。

図1 日本製および北米製半導体製造装置の販売額の推移

図1 日本製および北米製半導体製造装置の販売額の推移


全ての発表数字は、3カ月の移動平均値で表されている。今回は共に前年同期比、前四半期比ともプラス成長という結果になった。前回のピーク時はメモリバブルの状況だったことから見ると、半導体製造装置産業は完全に回復したと言ってよい。新型コロナウィルス(Covid-19)の拡大により、半導体のサプライチェーンから設計、製造、流通などが思うように動いている訳ではないだろうが、半導体製造装置産業に影響はまだ出ていないようだ。

今年の半導体産業はプラス成長で、半導体製造産業もマイナスに凹むことはないだろうと見られていたが、新型コロナウィルスによってどうなるかについて、市場調査会社のIDCは4つのシナリオをベースに半導体産業の売り上げ見通しを議論している(参考資料1)。

これによると、短期的には不確定要因が増していき、ますます予測しにくくなるだろうが、それにもめげず、テクノロジーサプライヤーは、長期的な投資に注力し続けるだろうと見る。パートナーとの約束や見込みを維持しながら、5GやIoT、AI、HPCなど成長が約束されている市場を見ているという。4つのシナリオはあくまでも想定にすぎず、数字の独り歩きを回避するためにここでは示さない。ただし、コロナウィルスの影響はこれから出てくることは間違いない。

参考資料
1. COVID-19 To Have Significant Effect on Worldwide Semiconductor Market in 2020, According to IDC (2020/03/18)

(2020/03/24)
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