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コロナウィルスによる半導体市場への影響をGartnerが見積もる

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市場調査会社のGartnerは、新型コロナウィルスによる世界半導体産業への経済的な影響を、108億ドル(1兆1880億円)相当の下方修正になると見積もった。同社は2020年の半導体市場の成長率を12.5%増の4700億ドルと見積もっていたが、108億ドル(2.3%)相当を下方修正、その結果、4599億ドルと見積もり直した。

半導体市場予測 4Q19最新版

図1 Gartnerが見積もったコロナウィルスによる半導体市場への影響 出典:Gartner


2020年2月26日にSPIマーケットセミナー「世界半導体市場、2020年を津田編集長と議論しよう」において、コロナウィルスの影響についても議論するが、ある程度定量的に分析、シミュレーションしたのはこれが初めてである。

セミコンポータルの姉妹メディアである米半導体メディアのSemiconductor Engineeringでもコロナウィルスの影響を見積もっているが(参考資料1)、2月24日の記事で米国Gartnerはまだ、コロナウィルスの影響を見積もっていなかった。

今回、ガートナージャパンが直近でコロナウィルスの影響を見積もったわけだが、ここでは3月末には収束すると想定し、半導体を納める顧客が他の電子部品や機械部品のサプライチェーンが途切れることによって顧客の電子システムを生産できなくなる、という状況をシミュレーションしている。半導体製造装置用の部品供給が途切れて、製造装置が製造できなくなり、半導体ラインが止まるというシナリオは描いていない。半導体は作れることが前提である。

ただし、ガートナージャパンは、3月末にも再度見直しをかけて、コロナウィルスが今年の上半期まで続き、下半期から影響がなくなるという仮定で再検討するとしている。

なお、他の市場調査会社にもコロナウィルスによる影響をある程度見積もっている所がある(参考資料1)。IBSは、2020年の半導体市場を7.95%増の4327億ドルと見積もっており、コロナウィルスの影響は0.7%ポイントの減少だと見ている。この中にはスマートフォン出荷量が1億台減少、ノートパソコンは3000万台の減少としている。

IC Insightsは、今年の半導体市場は7%増の4739億ドルとみていたが、コロナウィルスの影響でこれよりは少し下がるだろうとしている。これまでのところ、5Gスマートフォンの出荷台数が下がるだろうという観測(MediaTekなどのメーカー)を述べている。

Semco Researchは2020年の半導体市場を5.5%増になりそうだと述べているが、コロナウィルスの影響は考えていない。VLSI Researchは、20年のIC市場は9.2%増の3845億ドルになると見ているが、コロナウィルスの影響は100億ドル程度とみている。これまでの感染拡大(パンデミック)はIC市場にはそれほど大きな影響を与えていないという。サーズ(SARS)ウィルスも影響はなかった。2011年の東日本大震災の時でさえ、1週間強でIC販売額が10%を超えただけにとどまった、としている。もし明らかな影響があるとすれば、2月あるいは第1四半期のIC販売額だろうとしている。

参考資料
1. 2020 IC Outlook: Uncertainty, Semiconductor Engineering (2020/02/24)

(2020/02/26)

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