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2020年世界半導体は10%成長を超えるかもしれない〜詳細は2/26のセミナーで

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世界の半導体市場は、WSTS(世界半導体市場統計)の11月におけるデータからも間違いなく回復基調を示している。この2カ月前の前年同月比および前年同月差で見てもわかる(図1)。2019年6月が底だった。メモリの回復と単価の推移が半導体市場をプラス成長へ押し上げている。

世界半導体半導体販売額の前年同月差/比

図1 前年同月比と同月差で表したWSTSの世界半導体販売額 出典:WSTSの数字をセミコンポータルが加工


WSTSの11月の確定値が最近公表され、この数字の推移を見ている限り世界の半導体市場は回復基調にあることが見えてくる。2020年の1月か2月にはプラス成長に向かうはずだ。2017年と2018年のメモリ単価の異常なほどの値上がりの反動で2019年は、値下がりしてきた。その結果、パソコンもスマートフォンも値下げされ、久々にそれらの販売台数は2019年にプラス成長した。さらに、クラウド環境を充実させたい大手のITサービスベンダー(GoogleやMicrosoft、Amazon、Facebookなど)は、2018年にはメモリ、特にDRAMの増強を控えていたが、メモリ単価の下落でメモリを買い足し始めているようだ。

この結果、メモリ市場は再び上昇傾向にある、と韓国のメモリメーカーを取材した国内のアナリストは見ている。しかし、逆の見方もある。米国のメモリ調査会社Objective Analysis社のJim Handy氏は、2019年12月のVLSI Research社のビデオ(参考資料1)で、NANDは底に来て値上がり方向だが、DRAMは未だ値下がりしそうだ、と述べている。2020年の第1四半期がDRAM価格下落の最終段階ともいうべき底にくると予想する。DRAMはマイナスだがNANDはプラスになるため、差し引きゼロのフラットになろうという。

メモリメーカーの中でトップを行くSamsung半導体部門の営業利益率は、2018年が51.7%だったのに対して2019年は21.6%に落ちている。とはいえ、メモリが値下がりしていたのにもかかわらず未だに営業利益率が通年で21.6%という高値安定を保っている。2019年第3四半期には17.3%まで落ちたが、第4四半期には20.5%まで回復した(参考資料2)。ということは、今はまだ値が下がる説と、もう上がる説が混じっているが、2020年第2四半期には回復していくことは間違いなさそうだ。

メモリが安くなり大量に使う市場はどうやらデータセンターのようだ。これは大手ITサービスベンダーがクラウド化を進めるために、その物理サーバーを置く場所としてデータセンターを拡張していることによる。場所的な拡張だけではなく、データセンター1棟当たりに設置するサーバーの台数、メモリの増加容量、なども追加されるからだ。ちなみにAmazonを追いかけるMicrosoftは、巨大なデータセンターを世界の54カ所に設置しており、それらを光ファイバ網で接続している。

しかし、メモリはある程度下がったら、それ以上はもう下がらない可能性が出てきた。従来のメモリビジネスは、世代が変われば最初は高くても歩留まりが改善すると共に、シュリンク版を導入することで徐々に値下がりしてきた。加えて最近では、集積度向上のペースがゆっくりしてきたため、以前ほどの値下がりは期待できなくなる。メモリ、特にDRAMのプレイヤーが実質3社しかいない状況(3社合計の市場シェアが常に95%以上)では、価格をあえて下げる必要がなく、製造技術的にも19nm、17nm、16nm、15nmと一気に微細化できなくなってきているため、従来のような大きな値下げ幅を期待できなくなっている。

今年の半導体市場はWSTSの7〜8%成長から10%成長とみる向きはあるが、それ以上をマークする可能性もありそうだ。むしろどこまで成長するかが楽しみになってきた。ムーアの法則が限界に近づき、半導体チップは値下がりしなくなる傾向が出てきた。一方でデジタルトランスフォーメーションが進むため、ますます半導体を使う分野が広がってきている。すなわち単価は上がり、使用する分野が広がる以上、半導体産業はこれまで以上に金額ベースではもっと成長していくことを意味する。この詳細については、2月26日のSPIフォーラム「世界半導体市場、2020年を津田編集長と共に議論しよう」(参考資料3)で議論していきたい。

参考資料
1. Memory Market Forecast 2020... with Jim Handy of Objective Analysis (2019/12/12)
2. Earnings Release Q4 2019 Samsung Electronics (2020/01/30)
3. 世界半導体市場、2020年を津田編集長と議論しよう

(2020/01/31)

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