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半導体製造装置は21年に過去最高をSEMIが予測

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2020年の世界の半導体製造装置市場は、前年比6%増の608億ドルになりそうだという見込みをSEMIが発表した。19年は同11%減の576億ドルだが、21年にはこれまで最高の18年レベルを3.7%超える668億ドルになるとSEMIアナリストのClark Tseng氏が述べた。これをけん引する半導体チップは何か。

図1 SEMIが発表した今後の世界半導体装置市場 出典:SEMI

図1 SEMIが発表した今後の世界半導体装置市場 出典:SEMI


図1の数字には、半導体チップを作るためのウェーハプロセスと後工程(テストとパッケージング)の製造装置を含み、シリコンインゴットや結晶ウェーハを製造する装置は含まない。図1の地域をよく見ると、2019年は韓国が大きく落とし、台湾が53%伸びると見込んでいる。つまり、韓国が得意なメモリ投資は一段落で、台湾が強いロジックファウンドリへの投資が活発になったといえる。21年はメモリ投資が再び立ち上がり、2018年レベルを抜くとSEMIは見ている。

2019年は台湾に加え、米国も34%伸びる見込みであるが、これはIntelの投資が大きいとTseng氏は語る。7nmプロセスからEUVリソグラフィが使われているが、オランダのASMLが出荷した装置はこれまで累計で35台で、ほとんどがTSMCとSamsung向けである。Tsengは「Intelの微細化へのロードマップがアグレッシブではないため、1〜2年遅れて2021年以降にEUVが本格導入されるのではないか」、とみている。

中国市場への投資は20年に増えると当初は予想されていたが、メモリ投資が遅れたために19年、20年ともそれほど大きくはない。実は、中国投資の中身、中国に建設した外資の工場への投資が大きい。中国はDRAMとNANDフラッシュの工場建設と投資を加速してきたが、19年、20年ともメモリ需要が立ち上がらない状況が続くため、これまでのところ中国への投資を見合わせている。SamsungのNANDフラッシュ西安工場や、SK Hynixの無錫DRAM工場への投資が減少したため、19年は投資を減らした。

しかし、中国現地のYMTCが武漢にNANDフラッシュの工場への投資を進めている。このため、今年は少し投資が減るものの20年は少しずつ増えていくと、予想している。さらに21年には中国でのメモリ工場が立ち上がるため、設備投資はもっと活発になると見ている。

(2019/12/11)

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