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世界の半導体市場、12月に7.7%も落ちていた

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2018年12月における世界半導体販売額が前年同月比7.7%減の361億7400万ドルとなり、2016年7月以来ずっと、前年同月比でプラス成長が続いてきたが、ついにマイナス成長になった。先週になってWSTSが単月の数字を公開した。

図1 世界半導体市場(販売額) 黒い線が示すように9月までの1年は緩く下がってきたが、それ以降急速に下降した 出典:WSTSの数字を元にセミコンポータルがまとめた

図1 世界半導体市場(販売額) 黒い線が示すように9月までの1年は緩く下がってきたが、それ以降急速に下降した 出典:WSTSの数字を元にセミコンポータルがまとめた


2月4日にSIA(米国半導体工業会)が発表したWSTS(世界半導体市場統計)の数字は3カ月の移動平均値だったため、0.6%増のプラス成長だった。しかし、単月での半導体販売額は7.7%減であることがこのほど明らかになった。

3カ月の移動平均は、過去から現在までのなだらかな推移を見るのには適しているが、今後どうなるかを見る場合には向いていない。SIAが発表したときのWSTSの数字は、10月〜12月の平均値であり、10月、11月の数字が反映されているからだ。知りたいのは1月、2月の数字なのであるが、移動平均では全く見えないことになる。

地域別でみると(表1)、12月に最も大きく落ちたのは米国で、17億2639万ドルのマイナス、次がアジア太平洋の12億5739万ドルのマイナスとなっており、欧州は若干のプラス成長、日本も若干のマイナス成長だった。米中貿易摩擦で、米国が中国製品の輸入を制限するように対抗すれば、米国製の半導体の売り上げが落ちるという皮肉な結果を示している。


表1 地域別の半導体販売額 単位は1000ドル 出典:WSTSの数字を元にセミコンポータルがまとめた

表1 地域別の半導体販売額 単位は1000ドル 出典:WSTSの数字を元にセミコンポータルがまとめた


11月までは世界の半導体販売額はプラスであったが、実は米国だけは前年同月の差がマイナスの2億7658億ドルと凹んでいた。つまりメモリバブルの崩壊で半導体市場がマイナスに落ち込むリーダーは米国だった。10月まではどの地域もプラス成長で推移していた。アジア太平洋地区では11月でもまだプラスであったが、12月で急に落ち込んだことがわかる。次の1月の数字次第で、この落ち込みがどの程度続くのかが明らかになる。

(2019/02/19)

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