シリコンウェーハは2021年まで着実に成長、とSEMIが予測
2017年〜2018年はメモリバブルに浮かれて半導体産業、製造装置産業、シリコンウェーハ産業とも大きく成長したが、バブルははじけながらもシリコンウェーハは着実に成長していきそうだ。こんな見通しをSEMIが発表した。
表1 シリコンウェーハの出荷面積拡大の予想 MSIは百万平方インチ 出典:SEMI
SEMIによると、シリコンウェーハは2017年に年成長率9.8%、とこれまでにないほどの割合で成長したが、この後もウェーハ面積は飢える方向にあると予想した。特に2017年は64層3D-NANDフラッシュの量産立ち上げに各社奮闘しており、歩留まりはそれほど高くなかったために装置を買いそろえ、ウェーハ材料もたくさん費やした。
今年もメモリバブルは続いてきたが、NANDフラッシュの歩留まりは上がり、DRAMは生産量をやっと増やす方向に向かっているため、2019年は正常の成長曲線に戻る。このため、着実な成長が期待できる。半導体はDRAMもNANDフラッシュも徐々に値下がりという正常な半導体生産習熟曲線に乗っていき、新市場としてのAIやIoT、クルマ用半導体なども徐々に成長していく。2021年までは「モバイルと高性能コンピューティング、自動車、IoTなどの応用がけん引していく」とSEMIは見ている。
シリコンウェーハは半導体チップの材料である。ウェーハの伸びに比べ、半導体チップは毎年少しずつシュリンクしていく、すなわちチップ面積は小さくなる方向である。つまり、半導体チップ産業の伸びはウェーハ面積の伸びよりももっと大きいことになる。IC Insightsは、今年の半導体チップは1兆個を突破すると予測しており、半導体の売り上げはもちろん増えるが、数量も大台を突破する見込みだ。