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半導体製造装置はやはり第2四半期は一服に

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世界の半導体製造装置の販売額がやはりちょっと一服の様子がSEMIからの発表からでもわかるようになった。2018年の第2四半期における半導体製造装置の販売額が前期比-1%の167億4000万ドルとなった。

図1 世界半導体製造装置販売額(地域別) 単位は10億ドル 出典:SEMI/SEAJ

図1 世界半導体製造装置販売額(地域別) 単位は10億ドル 出典:SEMI/SEAJ


この統計の数字は、SEMIとSEAJ(日本半導体製造装置協会)が協力して集めたもの。第2四半期の167億4000万ドルは前年同期比では19%増となっているが、通常第2四半期は第1四半期よりも販売額は大きい。今年はなぜ下がったのか。

ここ1〜2年の半導体製造装置は、NANDフラッシュへの投資が主力で、その伸びが極めて大きかった。昨年はNANDフラッシュの歩留まりがなかなか上がらなかったためである。これまでのプレーナ構造を3次元構造に変えたため、この新プロセス装置を導入しても使いこなせるまで時間がかかった。歩留まりが上がらなくて供給不足に陥った。このため単価が値上がりし、半導体メーカー・製造装置メーカーともフラッシュ特需に潤った。

ところが、生産は習熟曲線に載り、歩留まりが向上し、生産量を確保できるようになったため、単価は下がってきている。そうすると、パソコンやスマートフォン側はストレージ容量を増やしたくなるため、需要も高まることになる。ただし、製造装置はNANDフラッシュに関してはもう1〜2年は要らなくなる。そこで一服という訳だ。

IoTやAI、自動運転車などが騒がれているものの、まだ始まったばかりで半導体チップの需要が高まっている訳ではない。しかし、今後は徐々に増えていくことは間違いないため、ちょっと一服で、しばらくするとまた求められるようになる。


図2 日米の半導体製造装置販売額は少し落ち始めている


図2 日米の半導体製造装置販売額は少し落ち始めている 2018年7月の数字は日本のSEAJしか発表しておらず、米国の数字はない 出典:SEMI・SEAJの数字を元にセミコンポータルがグラフ化


毎月の販売額の推移からも一服したことがわかる(図2)。7月の数字をSEMIは発表しなかったが、第2四半期の数字として今回は発表した。製造装置が急速に悪くなるわけではなく、とりあえずフラッシュメモリの投資が一段落しただけとみてよい。ただし、7nmプロセスをGlobalFoundriesが停止したため、7nmへの製造装置市場は少し小さくなっている。

参考資料
1. 半導体製造装置はちょっと一服状態に (2018/07/31)

(2018/09/11)

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