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2018年上半期世界半導体トップ15社ランキング

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2018年上半期の世界半導体企業トップ15社ランキングが発表された。メモリバブルの影響は強く、メモリメーカー3社のSamsung、SK Hynix、Micronがトップ5社内に入っている。残りは2位Intel、4位TSMCとなっている。やはりDRAM単価がいつものように下がってこなかった、という異常事態がこの順位を招いた。ルネサスは15位圏外に落ちた。

表1 2018年上半期における世界半導体ランキング 出典:IC Insights

1H18年 TOP-15 Semiconductor Sales Leaders ($M, Including Foundries)


このランキングは米アリゾナ州フェニックスを拠点とする市場調査会社IC Insightsが発表したもの。ここでの半導体にはICからディスクリート、光半導体などを含んでおり、半導体製品すべてをカバーしている。加えて、ファウンドリ企業も含めているため、数字を単純に合計することは意味がない。半導体市場をダブルカウントすることになるためだ。ただ、製造装置メーカーにとって、製造企業の規模を示す意味で、ファウンドリも含めているのがIC Insightsの特長となっている。

メモリメーカーの成長率は極めて高く、1位のSamsungは前年同期比36%、メモリ専門の3位SK Hynixは同56%、5位のMicronは同45%、と高い。Samsungが3社の中で最も低いのは、メモリ以外のファウンドリや非メモリ製品も製造しているためだ。メモリだけならもっと高いはず。Samsungのメモリ比率は年ごとに高まっている。2018年は全半導体製品に対するメモリ製品の比率が84%だったが、2017年は81%、2016年は71%だった。これはメモリバブルそのもので、2018年における非メモリ部門の成長率は8%しかない。Samsungは非メモリビジネスの強化を図っているが、一向に成功していない(参考資料1)。

TSMCをランキング表から排除するなら、15位に来るのはAppleだという。AppleはArmベースのCPUをコアにしたアプリケーションプロセッサ(APU)や周辺LSIを設計しているが、今のところ全て内製市場である。かつてのIBMも半導体製品を外販しなかったが、その生産規模は1,2位を争うほど大きかった。Appleは製造をTSMCに任せるファブレス企業であるから、その規模としてはまだそれほど大きくはない。しかし、APUの他にパワーマネージメントICやGPUなども内製化し始め、CMOSイメージセンサ企業もこっそり買収して手に入れている。今後はファブレス半導体としても外販の可能性は出てくる。というのは、Appleと同様インターネットサービス企業のGoogleが自社開発のディープラーニング専用のプロセッサTPU(Tensor Processing Unit)を外販すると発表したからだ。

東芝は東芝メモリとNANDフラッシュ以外の半導体部門とを合算して掲載している。2017年の上半期と比較するためだ。また、東芝メモリはBain Capitalらのグループに売却したものの、今は東芝が株式の40%を持っている。

参考資料
1. 韓国でなかなか育たない非メモリビジネス事情(続編)―DRAM企業のジレンマ (2018/08/02)
2. 直近の世界半導体ランキング上位15社を発表 (2018/05/18)

(2018/08/21)

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