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シリコンウェーハは2018年、19年も過去最高へ、SEMIが予測

SEMIは、2017年から2019年までのシリコンウェーハの出荷面積の予測を発表した。これによると、2017年は前年比8.2%増の118億1400万平方インチ、2018年はさらに3.2%増の118億1400万平方インチに増え、2019年にはさらに3.6%増の122億3500万平方インチになるという。

図1 シリコンウェーハの出荷面積 出典:SEMIのデータを元にセミコンポータルがグラフ化

図1 シリコンウェーハの出荷面積 出典:SEMIのデータを元にセミコンポータルがグラフ化


ここでのシリコンウェーハとは、半導体集積回路に用いる基板材料のシリコン結晶から切り出すウェーハを指しており、太陽電池に使うグレードの低いシリコンウェーハは含んでいない。また、ポリッシュしていないものや再生したウェーハも含んでいない。このため、半導体市場をほぼ表している。

今のところ、半導体産業は絶好調で、WSTS(世界半導体市場統計)によると、2017年は史上最高を更新し、さらに18年、19年も最高を記録し続けると予想している。SEMIの市場調査統計担当シニアディレクタのDan Tracy氏は「今年から2019年にかけて、シリコンウェーハの出荷面積は過去最高水準となることが予想されている。自動車、医療、ウェアラブル、高性能コンピューティングのアプリケーションに必要とされるコネクテッドデバイスが急増することから、安定した年間成長が期待される」とみている。

確かにSEMIが見ているように、世界の半導体市場を見る限り昨年よりも成長しており、2017年は久しぶりの20%成長にいきそうだ。WSTS(世界半導体市場統計)によると、2017年8月における8月単月の販売額は前年同月比26.4%増の359億2786万ドルと史上最高額を塗り替えている。これで7ヵ月連続の20%成長超えとなっている。


図2 世界半導体販売額の前年差と前年比 出典:WSTSの販売額を元にグラフ化した

図2 世界半導体販売額の前年差と前年比 出典:WSTSの販売額を元にグラフ化した


半導体産業の好調は、図2のグラフを見る限り、まだ陰りは見えない。しかも11月には有機ELを採用するiPhone X(テン)が発売される。その需要が高まれば、DRAMやNANDフラッシュのメモリ需要も高まり、半導体の売上額は市場調査会社の予測よりも伸びる可能性は高い。

ちなみに市場調査会社のGartnerが10月12日に発表した予測では、2017年は19.7%増の4110億ドルに達するとしている。

(2017/10/18)
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