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電子システムに占める半導体の価値は今後も高まる

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2017年の世界の電子システムの売上額は、前年比わずか2%増の1兆4930億ドル(約160兆円)にとどまるが、半導体販売額は15%増の4191億ドルに成長する。これはIC Insightsが最近発表したもの。この市場調査会社は、2021年には半導体市場は5000億ドルに達するとみている。

図1 電子システムに占める半導体の割合の推移 出典:IC Insights

図1 電子システムに占める半導体の割合の推移 出典:IC Insights


IC Insightsは電子システムの原価に占める半導体の割合は毎年高まり、2017年には28.1%に達すると予測する(参考資料1)。1997年には19.1%しかなかった。この比率が高くなっているのは、電子システムに占める半導体の価値が高まってきたからだといえそうだ。というのは、電子システムはそれほど伸びないが、半導体が大きく伸びているからだ。

電子システムにおける半導体の比率が高まってきている速度はそれほど高くはない。IC Insightsは、2016年から2021年にかけて年平均0.8%ポイントずつ上がると期待している。ただ、今年の大きな伸びは、DRAMとNANDフラッシュの単価の高止まりによるものであり、半導体製品全体が大きく伸びている訳ではない。

長期的には半導体の価値が電子システムの中で高まる方向であるが、電子システムという昔からの民生・産業用という電子機器でくくっているから、伸びがそれほど多くないようだ。クルマのように昔は電子システムが全くなかった製品では半導体の価値の高まりと伸びは大きいようだ。ECU(電子制御ユニット)の伸びが続いていることがその背景にある。さらにこれまでは電子機器が極めて少なかった医療の分野でも機器が増えるのに従い、半導体の価値が医療機器を決める時代になるため、半導体の伸びはこれからも続くであろう。

参考資料
1. Semi Content in Electronic Systems Forecast to Set New Record in 2017 (2017/07/12)

(2017/07/13)

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