7nm、3D-NANDへの投資で半導体製造装置販売額は5月も続伸
2017年5月における半導体製造装置の販売額は、依然として伸び続けている。北米のSEMIと日本のSEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した5月における半導体製造装置の販売額は北米が前年同月比41.9%増の22億7300万ドル、日本が同40.9%増の1736億6300万円となった。
図1 北米と日本の半導体製造装置販売額の推移 出典:SEMI/SEAJ
日米とも、5月の数字は3カ月の移動平均値であり、単月の推移を表している訳ではない。5月の数字は3,4,5月の平均値を表したもの。北米市場では、4月が21億3640万ドルだったため、5月は前月比で6.4%増であった。日本市場は4月の1657億9200万円から4.7%増となっている。日米とも、高成長が続いており、半導体製造装置市場の好調さを物語っている。
製造装置市場の好調は、メモリとファウンドリビジネスが牽引している。ファンドリは10nmから7nmへの設備、メモリは3D-NANDへの設備が大きく変わることが投資の要因となっている。微細では、いよいよ7nm時代からEUVが量産機に投入されることになる。従来のArFレーザーリソでは2重露光や3重露光、さらには4重露光となると、1回のパターン形成に何度も露光・現像を繰り返さなければならず生産性が落ちてしまう。EUVでは軟X線の出力において最高250Wが得られるようになり、スループット向上にメドがたった。
7nmのパターンでも、X線波長の13.5nmよりも短いが、これまでのOPC技術などが役に立つため、加工は可能となる。これまで波長193nmのArFレーザーで10nm台のパターンを加工してきたことがEUV技術も支えることになる。EUVリソグラフィ装置を設計・製造するASMLは、2017年第1四半期に新しい装置NXE:3400Bを3台受注し、受注残は合計21台になった。この第2四半期には3台のNXE:3400B装置を出荷する予定だ。
新しい露光にはレジスト、現像、パターンなどリソグラフィ装置以外の技術も必要となり、半導体産業全体にビジネスチャンスが生まれることになる。露光だけではなく3次元NANDフラッシュでも様々な装置・材料などが必要となるため、業界全体が盛り上がることになる。