MEMSの世界ランキング、BroadcomがRFデバイスで2位に浮上
2016年のMEMSデバイスメーカーのトップランキングを、MEMS調査を専門とするYole Developpementが発表した。これによると、1位のRobert Boschは前年と変わらないが、RF MEMSを主力とするBroadcomが4位から2位に浮上した。
図1 2016年のMEMSメーカートップランキング 出典:Yole Developpement
2016年の特長は、RF MEMSメーカーが急伸したことである。RFに強いBroadcomだけではなく、スマートフォンに搭載されているRF MEMSメーカーとしてQorvoも5位に入った。かつての首位で、今回4位のSTMicroelectronicsに肉薄している。
6位のHewlett-Packardと7位のKnowles Electronicsは前年よりも若干マイナスだったが8位のデンソーは前年からプラス成長をした。9位のTDKはやや落としたが、10位Qualcommは前年よりも伸ばした。
RF MEMSはRFの周波数帯域フィルタに使われ、2017年から2022年にかけて年率平均成長率CAGRが35%になるとYoleは見ている。RFデバイス全体のCAGRは14%で成長しているとの予想から、MEMSの伸びはひときわ大きい。
MEMSはこれまで、エアバッグの加速度センサから始まり、HPに代表されるインクジェットプリンタの印字ヘッドや、Texas Instrumentsの得意なプロジェクタ用のDMD(Digital mirror Device)、iPhoneの登場による加速度センサやジャイロセンサなどは、精度が低いものの安価なMEMSデバイスへと発展してきた。MEMS薄膜を利用したマイクロフォン、水晶発振器に代わるSiTimeのMEMS発振器、そして今回のようなRFフィルタ用のMEMSへと応用は広がってきた。
図2 2017年から22年までもMEMSの成長は続く 出典:Yole Developpement
今後はIoTへの応用を意識し、これまでのような精度の低い加速度センサではなく、もっと高精度な加速度センサ、さらにセンサ同士の信号を束ねるセンサフュージョン(センサハブ)など、MEMSはさまざまなセンサとしての応用がありそうだ。MEMSマイクはこれからも発展し数量ベースでは11%のCAGRで成長する、とYoleはみている。MEMS全体の市場としては2022年までは伸び続けると予測する(図2)。