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半導体の研究開発費、Intelが5%増で大きくトップ

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半導体の研究開発費の最も多い企業は、2016年もIntelで、前年比5%増の127億4000万ドルだった。2位も前年同様Qualcommだが、7%減の51億900万ドルにとどまった。世界全体では565億ドルである。

表1 世界半導体企業の研究開発費のトップテンランキング 出典:IC Insights

表1 世界半導体企業の研究開発費のトップテンランキング 出典:IC Insights


1位のIntelは、売り上げに対する研究開発費がどんどん上がっており、1995年には9.5%だったが、2000年には16%、2005年は14.5%、2010年には16.4%、そして2016年には22.4%に達した。

一方、Qualcommは前年よりも7%減だったが、売り上げに対する研究開発比率は33.1%と最も高い。Qualcommの比率が下がったのは、2015年にBluetoothチップの英CSR社と米Ikanos Communicationsを買収したことによる。Qualcommはファブレスで製造技術の研究開発費はかからないが、5GモデムやRF技術など次の世代の通信技術を開発するために、元々研究開発比率は高かった。それが買収で売り上げが増加したと同時に、買収企業の持つ技術を開発せずに手に入れたわけだから、研究開発比率が下がるのは当然となる。

メモリメーカーの研究開発比率は企業によって大きく分かれている。Samsungは前年比11%増の28億8100万ドルだったが、研究開発比率は6.5%と少ない。NANDフラッシュの東芝は、前年比5%減の27億7700万ドルとなったが、研究開発比率は27.6%も占めている。Micronは同5%増の16億8100万ドルだが、研究開発比率は11.7%、SK Hynixも前年比9%増だが、研究開発比率は10.2%にとどまる。東芝の研究開発比率が高いのは、3D NANDの開発に費やしているためだろうとIC Insightsは見る。

ファウンドリトップのTSMCは、前年比7%増の22億1500万ドルの6位だが、ファブレスのMediaTekが前年比13%増の17億3000万ドルで、研究開発比率は20.2%と多い。一般的にファウンドリは設備投資に投資が向けられるが、ファブレスはアルゴリズムや回路アーキテクチャなど研究開発に投資が向けられるため、傾向として研究開発比率はファブレスの方がIDMやファウンドリよりも多い。

(2017/02/21)

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