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半導体設備投資は2016年後半から2017年に増強へ

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SEMIのIndustry Research and Statistics Groupは、最新の設備投資状況を表すWorld Fab Reportをまとめた。これによると、設備投資額は、今年の後半(2016年2H)には前半(1H)と比べ18%増えると予想する(図1)。

図1 設備投資額は今年の後半は前半に比べ18%増へ 出典:SEMI

図1 設備投資額は今年の後半は前半に比べ18%増へ 出典:SEMI


設備投資を目的とする半導体は、やはりスマートフォンやノートパソコン/タブレットなどのモバイルデバイスがけん引し、自動車向け、IoTデバイスへの期待も大きい。主に二つの用途がけん引する。10nm/7nmのロジックファウンドリと3D NANDフラッシュである。2016年前半と比べ、ファウンドリは29%増、メモリは21%増と増えている。

メモリの中では特に、NANDフラッシュはプレーナから3Dへのシフトが大きく、3D NAND向け設備投資の伸びは、2017年も続く。SamsungやMicron、東芝とSanDiskの共同ファブであるFlash Alliance、Intel、SK HynixなどのNANDフラッシュメーカーは、2016年には前年比152%、2017年はさらに29%もの投資を行うとSEMIは見ている。これだけの投資を行ってもすぐには立ち上がらないため、新規装置の稼働率は2016年ではまだ低いが2017年には高まるとしている。

他のデバイスはどうか。DRAMの設備投資はDRAM市場の在庫がまだ多く残っており、2016年には31%減と大きく下がるが、2017年には2%増を見込んでいる。パワー半導体は着実に成長が見込まれるため、設備投資は2016年に前年比25%増、2017年には同16%増を期待している。ただし、アナログ設備投資は2016年には15%減だが、2017年には20%増に、MPU向け設備投資は2016年には同20%減だが、2017年には48%増と増えると期待している。


表1 地域別の設備投資額 出典:SEMI

表1 地域別の設備投資額 出典:SEMI


地域別では、2016年に伸びると見込まれている地域は、157%と断然大きな東南アジアである(表1)。Micronのシンガポール新工場Fab10Xでの3D NANDフラッシュがけん引している。中国は2016年に64%伸ばすと見ているが、これは中国大連にあるIntelの工場を3D NAND用にリフォームするようだ。またロジックファウンドリとしても同程度の投資がおこなわれているとする。

2017年の成長率が最も大きい地域は、欧州/中東の60%増で、10nm設備の立ち上げによるとする。その次が韓国でSamsungによるDRAMとNANDフラッシュへの投資であり、3番目の日本はFlash Allianceによる3D NANDへの投資だとしている。

(2016/09/09)

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