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パワートランジスタ市場は着実に成長、2020年までに148億ドルに

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米市場調査会社のIC Insights社は、2020年までの市場予測レポートを発行し、パワートランジスタ市場は2016年に前年比1%増の124億ドルになりそうだと発表した。半導体全体が2.4%減(WSTSの予測)であるから、今年のパワートランジスタ市場はまだマシの部類に入る。

図1 パワートランジスタ市場の予測 出典:IC Insights

図1 パワートランジスタ市場の予測 出典:IC Insights


世界のパワートランジスタの市場は、2015年のディスクリート半導体市場約210億ドルの内の約120億ドルを占めるという。これまで2010年の135億ドルをピークに、ジグザグ状に成長している。2015年は前年比7%減の123億ドルであり、2016年は少しずつ回復しつつあり、124億ドルになるが、2017年は3%増の128億ドル、2018年5%増の135億ドルと上昇傾向にあるとしている。

2015年から2020年までの市場予測では、年平均成長率(CAGR)3.9%で成長していき、最終年の2020年には148億ドルに達すると見ている。その前の10年間、2005年から2015年までのCAGRは4%だったから、ほぼ同じスピードで成長していくことになる。その背景として、データセンターのサーバーや産業機器、エアコンや冷蔵庫などの白物家電、自動車などの輸送機器、バッテリ動作の携帯機器やIoTへの接続などシステムでは、より高いエネルギー効率を求めているからだと見ている。

しかし、パワートランジスタのような大電力のディスクリートトランジスタは大電源を必要とする応用機器に使われる。むしろ、携帯機器やIoT端末のような小電力機器では、ディスクリートではなく、パワートランジスタをIC化してコストダウンする傾向がある。

パワートランジスタとしては高耐圧MOSFET (耐圧200V以上)とIGBTがここ数年伸びてきており、2020年までに高耐圧MOSFETはCAGR4.7%で24億ドルに、IGBTモジュールは同4.0%で32億ドル、低耐圧FET (200V以下)は同3.7%で56億ドルになるとしている。IGBTのディスクリートは3.8%で11億ドル、バイポーラトランジスタは3.1%で8億8600万ドルになると予想している。

半導体はコストダウンが進む産業であるから、市場よりも個数の方が伸びは大きい。パワートランジスタの個数は、2020年までに711億個となり、2015年の520億個からCAGR6.5%で伸びていくと予想されている。

(2016/06/23)

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